成蘭高校のもう1人の番 (ページ30)

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第29話ページ30

伊藤 side

つんつんする？と声をかけると『うんっ！』と勢いよく返事をしてつんつんする京ちゃん。

ガオーっ、と言ってみると、キャーとかアハハっ、なんて言って喜んでくれる京ちゃん。

「この髪は、そうそう辞められないよ！」

もう可愛いんだからぁーと京ちゃんと話していると冷たい視線を送ってくる数名。

三橋はビーバー、Aちゃんは京ちゃんを羨ましそうに見て、明美ちゃんは睨んでる。下っ端の子達は何してるんだろう、と不思議な顔。

「じゃ、京ちゃん。デート行こっか！」

京子「行く！パフェ食べるのー！」

「パフェ！食べよっかぁ～。」

なんて会話をしながらその場を去った。

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A side

伊藤くん達が去った後、三橋くんと理子ちゃんがいい感じであることに気づいた。

2人は付き合ってるの？と聞くと、

三橋「そ、そんなわけねぇだろ！こいつが俺の女だなんて口が裂けても言わねぇわ。」

それを言う三橋くんを見て、理子ちゃんは『えー、三ちゃんは私の彼氏でしょー？』なんて言ってる。

伊藤くんに続き三橋くんも大丈夫かな、と明美と顔を見合わせ、初めて息合ったんじゃない？と笑いながら私たちも帰った。

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ー次の日ー

A side

一足早く学校に着いた私は京子達を待ってぼーっとしていた。

急に『大変だ！』と言った京子。

「なに？伊藤くんがハゲたの？」

京子「ち、違う！そんなわけないだろ！昨日言ってたヤクザの野郎、開久に行ったらしいんだよ！」

開久に、という所まで聞いて勢いよく立ち上がってしまった。

「冗談じゃないよね？」

明美「ほんとなんすよ！」

智司がハゲたらどうしよう…かっこいい髪型が台無し…。

「今日の昼休みくらいに開久に行ってくるわ。2人は来なくて大丈夫だから。」

京子「気をつけろよ…。相手はヤクザだったんだからな！」

明美「そうっすよ、いくら強いAさんでもかなわない奴はかなわないんすから！」

そうだよね、でも大丈夫、いざとなれば智司がいるでしょ？と京子、明美、そして自分の心に言い聞かせ、昨日の京子みたいにソワソワしながら昼休みを待った。