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どこにもいかないで ページ46

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IN side



何度も色を変えているにしては指通りのいい髪。

性格を表したような癖のない真っ直ぐな髪。


「ハルの髪の毛羨ましい」

『なんで？直毛でアレンジしにくいって言われたし』


一日オフの日。貴重な日だけど特にやることも無くてダラダラと過ごしていた。

暇を持て余して窓際の机で日本語の勉強をするハルを見る。真白の髪が日に当たってキラキラしてる。


「えー、でもいいじゃん。綺麗だよ」

『そうかな、でもありがと』


なんだかすごく触りたくなって、まだキラキラと光るその髪に手を伸ばした。

ハルの勉強の邪魔かもしれないけど別に今絶対にやらないといけないことじゃないから無いから大人しく受け入れてくれる。


「うん、本当に綺麗。ね、髪触ってもいい？」

『もう触ってるじゃん』


それもそうなんだけどー、と言いながらハルの髪を指に巻いて遊ぶ。


「なんか、消えちゃいそう…」

『なにそれ、消えるわけないじゃんㅎㅎ』


それはまるで触れたらぷちんとすぐ切れてしまいそうな蜘蛛の糸みたいで…


「どこにも行かないでね」

『？どこにも行かないよ』


どうしたの？体調悪い？と額に手を当てられる。
別に熱は無いよ。

その手を引っ張って抱き寄せると腕の中には驚いた顔のハル。


「ちょっとこのままいさせて」

『……ん。』


ちょっとだけ不安になっちゃったんだ。ハルがそのまま消えてしまうんじゃないかって。
でも、腕の中のあったかい君は確かにここ存在してるんだって思えて安心した。




＊

HN「ただいまー」

HN「…あれ、誰もいないのか？」



HN「……ふふ、ったく…写真撮っといてやろ」






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