轟氏に妹が居た事について【ヒロアカ】 (ページ18)

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・ごめんねページ18

「お早う、A」

『…おはよ』

少し何時もより冷たく挨拶を返す。

ごめんね、ごめん。

『ご馳走様、行って来ます』

「え…」

焦凍を待たずに家を出る。
罪悪感が喉に詰まったように感じて、泣きそうになる。

ダメ、駄目だこんなに弱いとヒーローになれない。

ぎり、と歯軋りをして血が出そうな位手を握る。

「何してんだよ」

『あ、勝己君。お早う』

「手、血ィ出てんぞ」

『あっ、本当だ』

「轟は？」

『今日は違う時間に来たんだぁ』

「ん」

『え、？』

「手ェ貸せ」

『うん？』

勝己君の手に血が出た手を乗せるとぺろり、と紅い舌で舐めた。

『ひぃっ？！』

公共の場で何してんの？！

恥ずかしさと混乱で頭がショートしそうになる…ショート、しょうと、焦凍…違う方向に頭を回せ、こんな時に言うのは？

『何してんの？！』

「うるせーな」

『しかも何か痛かったよ？！』

「よ、はよーっ、バクゴーに…Aちゃん…ダトォッ…え、何お前等付き合ってんの？お似合い過ぎて嫉妬するわー…」

『違うよ？！』

「そうだ」

『何偽情報流してんの？！』

「違うのそうなのどっち？！」

「ウルセェ」

私と上鳴君がうるさかったせいで周りの人の目を集めていた。

『す、スミマセン…』

「すんません」

「ねぇ！君雄英体育祭準優勝した轟君の妹だよね？！隣の爆発君と準決勝やった！

わぁ、僕ファン何だ君の！握手してくれない？！」

『応援ありがとうございます、ヒーローになれるようにこれからも頑張ります！』

握手した時、左手に違和感を感じたチクリ、刺すような痛み。

「こんな安い罠に引っかかっちゃうんだ。なぁんだ、もっと早くやれば良かったなぁ…」

次の瞬間、ぐらりと視界が揺れ、ホームの床に倒れた。

暗くなる前の一瞬、焦った双子の兄の顔が見えた気がした。