吸血衝動【MHA】 (ページ15)

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吸血衝動ページ15

「いい加減起きな粘土」

「…お早うございます、リカバリーガール」

寝癖のついた髪を手櫛で軽く梳きながら体を起こす。

「ちゃっちゃと着替えちゃいな、緑谷が来るよ」

「はぁい」

「朝食は食堂で食べてきな」

「了解しました」

家から持ってきていた服を入れた旅行カバンからワイシャツを取り出し、ボタンを掛け間違えないようにシャツを着、スカートを履き、カーディガンを羽織り、ブレザーはベッドに置いて保健室から出た。

もぐもぐと口を動かしながら一昨日のことを思い出した。

「ヒーローって、あんな仕事なのか」

初めてヒーローが近くで仕事するのを見て、あんな仕事に幼馴染を就かせたくないと思った。思って、しまった。

でもきっと出久は、オールマイトのようなすごいヒーローになるだろうし、私の意見だけで彼の夢を妨げるなんて、絶対にあっちゃいけない。

これはただの私の我が儘だ。

「でも、出久が傷付くの、やだなぁ…」

「デクだけかよくそ」

「もちろん勝己が傷つくのもやだよ？なに、嫉妬？」

「黙れや脳みそ腐ってんのか」

「はー、これだから野蛮人は」

「るせー、黙れや」

ツンギレか。

「勝己も、あんまり怪我しないで欲しいな、私の大切な幼馴染なんだから」

私がそう言えば、勝己は鼻で笑って行ってしまった。

「当たり前だろくそ」