吸血衝動 ページ2
どっと教室が煩くなった。
ああ、
「煩い」
ぼそりと呟いた言葉は、誰にも気付かれなかった。
「せんせえー「皆」とか一緒くたにすんなよ！
俺はこんな“没個性”共と仲良く底辺なんざ行かねー
よ」
本当にヒーロー志望なのかあいつ……性格終わってんのに……。
問題発言のせいで、更に教室が騒めく。
「あー確か爆豪は…『雄英高』志望だったな」
「…」
え、まじかよ。
「国立の！？今年偏差値79だぞ！！？」
「倍率も毎度やべーんだろ！？」
私、雄英のサポート科志望なんだけど……出久のサポートしたいのに……あいつがいたら面倒だわ。
「そのざわざわがモブたる所以だ！模試じゃA判定！！俺は
あのオールマイトをも超えて俺はトップヒーローと成り！！必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ！！！」
みみっちさを派手に披露したかと思うと、
「あ」
と、先生が呟く。
「そいやあ緑谷も雄英志望だったな。粘土は推薦入ってるし」
何でここで言うんだよ、脳みそクソかよ。
そこで、反応が半分に分かれる。
私の推薦に驚く者と、出久のヒーロー科志望に笑う者。
「はああ！？緑谷あ！？ムリッしょ！！」
「勉強出来るだけじゃヒーロー科は入れねんだぞー！」
「はぁ！？推薦ンンン！？スッゲー！！」
「そっ…そんな規定もうないよ！前例がないだけで…」
「煩い」
耳を塞いでいると、勝己が出久の方に近寄るのが見えた。
そこで、勝己が出久の机を爆破した。
「こらデク！！！」
「どわ！！？」
「出久！」
なにやってんのあいつ……！
「“没個性”どころか“無個性”のてめェがあ〜
何で俺と同じ土俵に立てるんだ！！？」
すぱん、とそこで頬を叩く音が教室に響く。
「さっきから煩いんだけど。出久を多勢に無勢で虐めておいて、ルールも守らないで、何がヒーローだよ、
殺すぞ」
シン…と教室は静まり返った。
先程の騒めきが嘘であるかの如く。
「ん、出久、大丈夫？」
「あ、ありがと……」
出久を立ち上がらせ、にこ、と微笑む。
出久が席に座った後、ちらりと視界に入る勝己を睨み、席に座った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒロアカlove | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月20日 16時
