ノラ猫の恩返し (yb×in)

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in side




これは夢じゃないよね？

現実だよね…？





「ぼ、僕も…！」


「先生」


いのおくんが俺の膝に移動した。
ぐっと握りしめてる俺の手をぺろっと舐める。



「いのおくん…」

「にゃあ」



いのおくんのおかげで、ふっと力が抜けた。



改めて、目の前の…大好きな人の顔をじっと見つめる。





「僕も、薮さんが…好きです」



顔が熱い。


心臓も、バクバクしてる。



…でも、言えた。




ちゃんと、好きですって…言えた。







薮さんの手が、俺の手に重なる。




見つめ合ったまま



優しく、俺の手を両手で包み込む。




「嬉しいです…ありがとう…」



そう言って、俺の大好きなふにゃり笑顔。




…好き。




大好き。






薮さんの顔が…近づいてくる。




心臓が、口から飛び出しそう。





薮さんが…顔を傾けて、更に近づくので、ゆっくり目を閉じると、唇にふにっと柔らかい感触。




薮さんからの…初めての…キス。


「…っ」



ちゅっと軽く吸われて、唇が離れた。




目を開けると、薮さんも赤い顔。



「…緊張した…」

「ほぇ？」

「めっっっちゃ緊張したー！！」

「…ぶっ！！」


二人で爆笑。


「あはは…っ！こんな自然にキスしといて…っ！緊張してたんですか！！」


「だって…っ、おれ夢を思い出しちゃって」



…夢？


「夢って、俺が出てた…"夢"のこと…？」

「あ！！えっと…」

「にゃあん♪」

「何でもないです！いのお黙ってろ！」

「にゃっ！」

「なにっいのおくん！」

「にゃあ♪♪」


と可愛く鳴いて、俺の唇をぺろっと舐めた。



「…薮さん…？俺に話してないこと…ありますよね…？」


「俺はっ！悪くないですっ！いのおがっ」


「いいから話してっ！！」






…聞いてびっくり…



あの"夢"の中で




俺と薮さんは何回もキスしてたんだって…



しかも



俺からおねだりしてキスをせがんでただとぉー！！？？






「何なんですかー！！見に覚えがないのにこんな辱しめっ！！！」


「だからっ、それは先生じゃなくていのおが化けてた夢の話で」


「いやもう恥ずかしくて死ぬっ！！薮さんのバカ！！」


「俺のせいなのー！？いのおはーー！？」


「自分からしたんだろーー！！！」


「ごめんなさい！嫌いになった…？」


「はぁ…！？なんでそうなるんですかぁ！」


「じゃ好き？」


「その聞き方ずるい…っ」



ぎゅっと抱きしめられた。

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