年下の彼 3 (yb×in)

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「…こうた…」


「ごめんね、心配したよね…」

「…するに決まってる…だろ…」


もうだめだ。涙腺決壊。



「…ひっく…」


わわっ…泣くなんて…他の患者さんもいるのに


「慧、もうちょっとこっち来てベッドに座って？」


「…？」


宏太の言うとおりにしたら、左腕でふわりと抱き寄せてくれた。


病院のパジャマの匂いと一緒に…いつもの宏太の匂い。安心する。


「もう一人の患者さんね、耳が聞こえにくいおじいさんだから大丈夫だよ」


「…ぐすっ…だいじょうぶ…って…？」


「イチャイチャしてても…聞こえないから」


そう言うやいなや、俺の唇にはむっと噛みついた。


「…ん…」


とっても優しいキスをしてくれて不安が少し和らいでいく。涙も止まった。



「大学の階段でさ、足踏み外した女の子の下敷きになって落ちちゃって。女の子は無傷だったけどね」


「そうだったんだ…」


「右腕は全治1ヶ月だって。ただ少し頭も打ったから、今日と明日検査して安静にするよう言われて」


「頭…痛いの？」


「今は大丈夫だよ。落ちた時の腕の痛さはやばかったけど」


「…でも…良かった…骨折だけで済んで」


ぎゅうっと宏太にしがみつく。


「退院してからしばらく迷惑かけちゃうけど」


「そんなの！宏太が無事なら全然問題ない…」


「ありがと…慧」


もう一度唇を重ねる。今度は深く深く口づけ合った。



「明日おれ仕事休んだから、面会時間になったらすぐ来るね。あと1日だけど必要なものとかある？」


「あ…じゃスマホの携帯充電器欲しい…多分あと1日もたないから」


「それなら俺の置いてくよ。1個充電済みの持ってるから」


鞄から出して宏太に渡す。


「あとは…下着とタオルかな」

「下着は下のコンビニで買ってくるよ。明日の分は持ってくるから」

「助かります！」




面会終了時間までいて、病室を後にした。

地元の駅に着き、とぼとぼと家路につく。



「…今夜…ひとりなんだな」



でも…ホント無事で良かった。


宏太に何かあったら…俺…


どうなっちゃうんだろ。




そう思ってしまうくらい、俺は宏太に依存してるんだなって…今日実感した。


今夜はひとり。宏太のいない夜。


「早く…明日にならないかな」

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