桜と共に消えた君。 (ページ13)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:4,563 hit

#12 ページ13

「もう。まだ帰ってきたばかりなんだから無理はいけないよ？」

「はーい。」

「骨は折れてないけど頭を少し強く打ってるから、念のためICUね。」

そう言われてすることもなく、ただぼーっとしてた。

「大山さん？」

そう呼ばれて顔を向けると。

「はい…。な、なんで…。」

そこには少し、いやかなり大人になった玄樹がいた。

1番会いたかった玄樹。だけど会いたくもなかった玄樹。

嘘をつくか。真実を告げるか。

私は足が動かないことだけを告げた。

久しぶりに会えた玄樹には。

そのうち死ぬことになるなんて告げることはできなかった。

「大山さん…。大丈夫？」

玄樹が帰ったあと私はただひたすらに泣き続けた。

「…っ。ぐすっ。わた…っし…。」

もう諦めていたはずだったのに。

死ぬことなんて5年も前からわかっていたのに。

これでも進行がかなり遅くて普通よりも長生きしているはずなのに。

人は本当に欲のかたまりだ。

今になって。

私はどうしようもなく死ぬのが怖くなった。

どうしようもなく生きたくなった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お久しぶりの更新でした！！

少しずつですが更新するので気長にお待ちください…。汗