Episode33 ページ37
「3人ともお疲れ様です。」
レノックスさんの授業に区切りがついた頃、リケくんが飲み物やら軽食を持ってやってきた。
ミチルくんがフィガロ様を心配しているのに気づいて気にしていたらしい。
私達は授業で使っていた道具やらを素早く片付け、木陰に腰を下ろした。
「…美味しい〜!」
リケくんの持っていたバスケットの中にはサンドイッチやおにぎりという食べ物、それに様々なおかずが入っていた。どれもネロさん特製だそう。
やっぱり美味しいものは良いな、心まで満たしてくれる。なんてしみじみ思いながら頬張っていると
「豪華なピクニックだね。」
背後から声がした。
ずっと待っていた声が。
「っ……!!
フィガロ様!!!!」
私が叫んだ後、他の皆も口々に名前を呼ぶ。
やっと帰ってきた。
……上手く、いったんだ。
皆がフィガロ様に駆け寄って囲うのを、私は少し離れた所で眺める。
“今”、私が選んだ未来がここに広がっている。
アルタは人間になって、私は故郷の人間でなくなって。
これから、フィガロ様の長く刻まれた時の中の大切な1人に……なれる予定。
「A」
「っ…!」
頭の上からフィガロ様の声。いつの間にか俯いていたらしい。
「皆もうピクニックへ戻ったよ。折角だから俺達も混ざりたいところだけど…。2人でランチでもどう?」
彼は優しい笑顔で私に手を差し出した。考え事が顔に出てたのかな。
「もちろんです」
私はフィガロ様の手を取って、彼の部屋へ向かった。
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ユリア(プロフ) - 切なくも微笑ましい素敵な作品をありがとうございました!!それぞれのキャラの感情の変化がよく描かれていてとても心に刺さりました。これからも作品作り頑張ってください! (3月25日 14時) (レス) @page41 id: 729d7bbd60 (このIDを非表示/違反報告)
めふぃ - 完結おめでとうございます!そして今まで、切なくも面白いストーリーをありがとうございました! (2022年4月27日 22時) (レス) @page41 id: 19e03b5c2e (このIDを非表示/違反報告)
えれのあ*(プロフ) - あっ、すきです…(死) (2022年4月7日 6時) (レス) @page37 id: 990fe64fbf (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - 素敵な作品をありがとうございます。更新楽しみにしています! (2021年9月25日 12時) (レス) id: 0a11424034 (このIDを非表示/違反報告)
めふぃ - ヤバいめっちゃ展開気になる…!!相変わらず面白くて素敵なストーリーです!更新楽しみにしてますね!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 53cc7f4ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カシワ | 作成日時:2020年12月31日 11時