ホントの恋なんてない！【黒尾・赤葦】

黒尾 side ページ36

今日は梟谷で全５校で開催する合宿がある

研磨によるとアイツは梟谷でバレー部のマネをしてるらしい

まぁ研磨にはもうアイツに関わるなって釘刺されてるけど

でも、俺は研磨の言うことなんて今回ばかりは聞いてられない

自分でも最低だと思うけど、俺はまだアイツのことが好きだ

じゃあなんで浮気したかって？

それは俺を慰めるため

アイツは俺に少し冷たかった

まぁそれが照れてる証拠ってわかってたから俺はむしろその冷たさが好きだった

ドMってわけじゃねーけどな！

でも、俺の中ではデレてほしいって欲が膨らんでて制御できなかった

だから、俺は日に日に傷ついていった

あの冷たさに

そんな時俺に花音が告白してきた

花音とアイツは親友で俺とアイツの関係を知ってるのかと思っていたが、知らなかった

俺はそれを良いことに、花音とも付き合った

自分の傷を癒すために…

でも、それは俺らにとって悪い結果にしかならなかった

俺は大好きなアイツと別れ、花音はアイツと築き上げた関係に亀裂が入り、しまいに俺は花音と別れた

俺に残ったのは後悔ただ一つ

この合宿であわよくばアイツと寄りを戻したい

そう思ってたのに…

音駒の出迎えに来たAは俺を鉄朗ではなく、黒尾先輩と呼んだ

この時ホントの意味で痛感したんだ

俺たちの間はもう埋まらないって…

この呼び方は完全に俺との間に境界線を引いてるってこと

もう一切関わりたくないってことなんだろう

それに、あの目…

研磨や花音の時はアイツは心から笑った目をしてる

でも、俺の時…

アイツは顔こそ笑ってるけど、目は光がなかった

俺はあんなにする程アイツを傷つけたんだ

ホントにごめんな

A…

でも、もう一回チャンスをくれよ！

せめて、俺にもあの笑顔を向けてくれ！

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