ハッピーエンドを探す旅【WEST】 (ページ10)

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数日後、大学に行こうとした朝。
流星から連絡が来た。
流星とは高校卒業後、たまに会うぐらいの関係で、よく連絡を取り合っていた。
高校の時のみんなで集まるから来ないか。そんなメールだった。
来るんかな。
最初に考えたのは、神ちゃんのこと。
今の神ちゃん、変わってんのかな。
めっちゃチャラなったりするんかな。
それでも多分好きになる。
会いたいけど会いたくない。
行きたいけど行きたくない。
一つにまとまらない俺の意見。
流星のメッセージに既読をつけ、放置したまま、俺は頭を抱えた。
そんな俺はネット通販の服を見ていた。
たくさんスクロールして、おしゃれな服を探す。
そんなことをしている自分は多分、行きたくて仕方ないんやろ。
【行くわ】
送ってしまった。
謎にドキドキしている胸。
【了解】
突然、神ちゃんに会いたくなった。
あの笑顔をもう一度見たい。
あの微笑みかけてくれる神ちゃんと喋りたい。
会えるかも分からないのにまたこの天秤に乗ってしまう。
会って話したい。
後悔したあの日を取り戻したい。
てか、俺のこと覚えてんのかな、笑

当日、神ちゃんは来なかった。
あんなにキラキラしてた明日は、絶望となって今日になる。
みんなお酒を飲んでる中、俺はオレンジジュースを飲んでた。
そのオレンジジュースもいつもより美味しくなかった。
抜け出そうか、そんな思いや。
｢望？｣
声をかけてきたのは流星。
心配そうな目で俺を見つめる。
｢なんか楽しくなさそうやな｣
｢神ちゃん、は、？｣
幹事の流星になら、わかるはず。
｢え、と、しらん、かな｣
その答えは、しらん、やった。
｢え、？同じ大学じゃなかったっけ、？｣
｢あー、うん、そやったよ｣
そやった、って、過去形がすごく気になる。
｢なんで過去形？｣
流星は頭を抱える。
なに、どういうこと、？
｢いや俺さ、全然仲良くなかったからよー知らんけどな｣
と言って息を大きく吸った流星。
続きがあるような言い方やった。
｢なに、？｣

｢神山さ、大学、すぐやめたらしいわ｣

その瞬間だけ、周りの声、音、雑音が全て消えた。
｢え、？｣
｢事情は知らんで｣
｢それ、なんではよ言わんかったん、｣
動揺、怒り、後悔が全て混ざった苦い心。
｢関係ないやろって、思って、｣
｢っ、関係あるわ！！｣
つい大きな声が出てしまい、周りの視線が痛々しい。
荷物を取り、居酒屋を出る。
思うがままに走る。すぐ汗をかいて夏を感じる、
神ちゃん、どこに行ってしまったんや、