12人の妹

母さんからの手紙 ページ36

Aside




蒼「何これ？」




掃除をしていると蒼弥兄さんが


一枚の封筒を見つけた





それを太輔兄さんが手に取る





太「『Aへ』って書いてあるよ」




　「えっ」




蒼「この字って母さんの字だよ」






太輔兄さんから手紙を受けとると


宏光兄さんが手紙を読んできて


良いと言われて私は自分の部屋で


手紙を読む事にした







茶色の封筒から手紙を出した





『Aへ


この手紙を読んでるって事は


私がこの世からいなくなったって


ことかしら。Aがこの手紙を


読んでる頃は何歳に


なってるんだろうと今手紙を


書きながら思っています。Aは、


何事にも手を抜かない性格で


努力を惜しまない子でした。


「人の数だけ道がある。」私が


進路や将来の事で悩んでいるときに


私のお母さんがよく言ってくれた


言葉です。兄弟の中で唯一の女の子で


生まれてきたAだからこそ誰にも


言えない悩みがあると思うの。


だからもし道に迷ったらこの言葉を


思い出して欲しいです。


あなたは私達両親にとって誇りに


思える大切な娘です。


私達の娘で生まれてきてくれて


ありがとう。母より』

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