いつか君にーこれからは君と共にー

おこがましい ページ9

Aside



『蟲柱様、ひとつ伺いたいことが…………』


｢あら、どうかしましたか？｣



今は私は診察中
こんな時に聞くのもどうかと気も引けたけど今くらいしか聞けないだろうから聞いておく


『私、日常生活くらいなら1人でできるようになりますか？』


｢勿論ですよ！
少し時間はかかるかもしれませんが
日常生活くらいなら大丈夫です｣




やっぱり、私はもう呼吸は使えないんだ
蟲柱様が今日常生活くらいならって言った
それは恐らくそういうことだろう


『蟲柱様、私なるべく早めに日常生活ができるようになりたいんです』


｢それは良い心がけです
けれど無理は禁物ですよ？
それでは明日から少しずつ初めて行きましょう｣



そう、早く日常生活をできるようになって
煉獄さんにお礼を言って屋敷を出なくては
継子では無いのだから
いつまでも甘えていられない




そうだ、小さな家を買おう
そして犬か猫も買って
それからそれから、お茶菓子をまた作ろう



そんなことを考えながら外を見ると
煉獄さんはもう既に歩き始めていた



まだ少しフラフラとおぼつかない足取りで歩いているけど



『煉獄さん！』



窓から声をかければこちらを向いて手を振ってくれた





私も欲深い女だ





もうすぐ別れなくてはならない殿方に固執して



隣にいたいだなんておこがましいことをかんがえているのだから

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