いつか君にーこれからは君と共にー

これから ページ6

杏寿郎side



Aの体を持ち上げて初めに軽いと思った
そして次に体の線は細く柔らかい、そう感じた


Aはもう1人で立ち上がれないほど力がないように見える




こうなってしまったのは俺の責任
責務を全うすると、Aを守ると言ったのに俺は逆に守られてしまった



俺もAももう戦うことは出来ないだろう



そうしたらAは俺の隣を離れていくのだろうか？




君が隣にいることがいつしか当たり前となり
これから先もそうなるものだと思っていた


だが、君はもう刀を握れない


そうしたら鬼殺隊をやめて
誰か相手を見つけて結婚して子を成して
その男と笑い、その男と共に生きていくのだろうか……？









考えただけでも虫唾が走る
その笑顔を向けるのも、話しかける相手も
全て俺であって欲しい



こんな俺は我儘だろうか？




こんな気持ちになるのは初めてだ





Aを失いたくない



Aとの子を成して家庭を築き



Aと子供とどこかへ出かけて




Aをこの手で幸せにしたい




あの笑顔をもっともっと
幸せそうな笑顔に変えてやりたい




さぁ、A覚悟しておくといい



今君が俺の事をどう思っているかは知らんが
必ず俺の隣に座らせて見せよう

嘘→←もう

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す