ほら、やっぱり ページ18
Aside
ハァハァ………
どれくらい走っただろうか?
そんなに走っていないはずなのに、もう息が切れている。
もう、私には行くところなんかないはずなのに
私はどこに行こうと言うのだろうか?
けれど、私の足は勝手に動いていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
月の綺麗な夜だ。
空には雲ひとつなく、満月が浮かんでいる。
橋に腰をかけて空を見上げた。
こんなに月が綺麗だなんて知らなかった。
昔から夜は早く寝ていたし、鬼殺隊に入ってからは夜に空を見上げようなんて考えもしなかった。
『月が、綺麗ですね……………』
煉獄さんに向けて言いたかったな…………
一人ぼっちでこんなことを言うなんて悲しすぎるよ……………………煉獄さん。
「君と見る月だからだろうな」
『え、』
声の主は多分煉獄さん。
けれど今振り向いたらきっとこの気持ちをまた溢れさせてしまう。
だから私は月を見続けた。
“月が綺麗ですね”の返事は何通りかある。
有名なのは“死んでもいいわ”だと思う。
そしてそれと似たような意味として“あなたと見る月だからでしょうね”と“今なら手を伸ばせば届くかも”があるらしい。
そのうちの一つを彼は言った。
きっと、分からないで言っているんだろうな、と思いつつ聞いた。
『意味、知っているんですか?』
「あぁ、昔千寿郎に教えてもらったんだ」
『何故ここに?』
「君ならば必ずここにいると思ったんだ
ここは俺と君が、初めて出会った場所だからな」
『そう、ですか………………』
「A!」
もう呼ばないで、私の名を。
貴方が呼べば戻りたくなってしまう。
『それ以上こっちに来ないでください。
それ以上こっちに来るのなら私はこの川に入水します。』
そういえば、あなたは優しいからこっちに来ないでしょう?
私って酷い女でしょ?
わかっててこんなこと言うんだもん。
本当は止めて欲しい。
待ってくれって言って欲しいの。
けど、嘘は言わない。
来たら本当に川に入水するの。
あなたの心に一生いられるかもしれないでしょ?
ほら、やっぱり私は酷い女。
━━━━━━━━━━━━━━━
〇殺と入れるとフラグたつので入力にしました
64人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Miyuki(プロフ) - 柑橘蛍さん» ありがとうございます! (2021年3月3日 22時) (レス) id: 07ac9a1952 (このIDを非表示/違反報告)
Miyuki(プロフ) - 柑橘蛍さん» 先に指摘頂いていたのに気づかず返信していませんでした………大変申し訳ございませんでした!指摘ありがとうございます! (2021年3月3日 22時) (レス) id: 07ac9a1952 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 完結おめっとさん!(??) (2021年3月3日 22時) (レス) id: e14d5de1d5 (このIDを非表示/違反報告)
Miyuki(プロフ) - ツナミカワさん» すみません!!いつも指摘して頂きありがとうございます!! (2021年3月1日 22時) (レス) id: 07ac9a1952 (このIDを非表示/違反報告)
ツナミカワ(プロフ) - 『そんなこと、どうでもいいんだ。 俺着好きなのは君なんだ、名前。 家柄が問題なら、俺が煉獄家を出よう。 そして山奥に家でも立てて2人で、いや子供と俺たちで暗そうじゃないか。』ここの所誤字ってますよ (2021年3月1日 13時) (レス) id: 3c9510fdcd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Miyuki | 作成日時:2021年1月9日 23時