いつか君にーこれからは君と共にー

本当ならば ページ17

煉獄side


｢クソっ！！｣

｢あ、兄上！？どうかなさいましたか？｣



Aは泣いていた。
目元を抑えていたのに、それでも涙を抑えられぬほどに…………
それならば、なぜここから去ったというのだ。



｢千寿郎、俺はしばらく家を空ける。
留守の間、父上と家のことを任せた。｣



千寿郎に向き合い、肩を掴めば
｢はい、兄上。
その代わりと言ってはなんですが、Aさんを必ず連れ戻してください。
僕、早くAさんのことを義姉上とお呼びしたいのです！｣




可愛らしいことを言ってくれるものだ。




｢もちろんだ、約束しよう｣

｢兄上、お気をつけて｣



さあ、A。聞かせてもらおうではないか。
君が何故ここをあんなに泣きながらも離れていったのか。



そして本当に俺のことが嫌いならば最終手段に出よう。





この屋敷の奥に閉じ込めて、俺だけのものにしてやる。







もう離さない………………




いや、俺から離れないでくれ



そして、俺だけを見てくれA………………

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