いつか君にーこれからは君と共にー

1年後 ページ12

Aside

※時間めちゃくちゃ飛びます



私が目を覚ましてからあっという間に1年がたち、私はもう1人で生活できるようになった
しのぶ様にも｢もう診察の必要も無いでしょう｣
と言われるまでに体は元に戻っていた


｢Aさん、最後に1つ
貴女の体はもう呼吸を使えません
もし使えば貴女は死んでしまうでしょう
約束してください、もう二度と呼吸を使わないと｣



私の手を握り、私を真っ直ぐと見るしのぶ様
その手は震え、とても冷たい


『分かりました
使わないと……約束しましょう』


｢約束、ですよ？｣



この1年でしのぶ様とは随分仲良くなった
しのぶ様はまるで本当の姉様みたいに優しくて、暖かくて大好きだ


蝶屋敷ですごしたこの1年は幸せだった
しのぶ様はもちろん、カナヲちゃんやあおいちゃん、きよちゃんになほちゃん、そしてすみちゃんと仲良くなった


それに……………



煉獄さんとの思い出も沢山できた




もう思い残すことは無い





『しのぶ様、今までで本当にありがとうございました
お陰様で私は今こうして生きていられる
そしてたくさんの幸せを手に入れられた
しのぶ様、大好きですお世話になりました』


そっとしのぶ様に抱きついた
暖かい…………


｢Aさん？
そんなこれでもう二度と会えない別れのようなこと言わないでください｣



感の鋭い方だ
私の考えていることなんて手に取るようにわかっているみたい


『そんなわけないですよ
ふふっ、ではお世話になりました』



さようなら、しのぶ様
みんな、今まででありがとう



玄関でお屋敷に一礼して
次の目的地となる煉獄家へと足を向けた

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