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1度だけ ページ38

千寿郎side


生前、兄上とAさんは1度だけ、
そうたった1度だけ出かけたことがあった

Aさんはもう私たちとの記憶をなくし、笑わなくなっていたけれど
兄上が少しでも気晴らしに、と連れ出した



私は、その時してはいけないと思いながらも
二人の後をつけた

初めはお茶を飲んだり簪を見たりいろいろお買い物をしていた


けど、最後に桜の木の下で
Aさんの手を取り兄上は言った


「A、俺は必ず君を守ると誓う
俺の命に変えても君だけは……………」


懐から小さな木箱を取りだした
箱を開けるとAさんは兄上をじっと見つめる


『………………師範、女性に簪を送る意味をご存知ないのですか?』



箱の中には桜を模した簪があった




「いや、もちろん知っている
今すぐに返事が欲しいというわけではない
だが、俺は君のことをいつも想っている
それだけは覚えておいてくれ」



兄上はそう言いながらAさんの髪に接吻をした


『………わかり、ました
お気持ちは嬉しいです
簪、師範が持っていてください
私がそうなりたいと思った時に……
貴方からいただきます』

「あぁ、わかった
肌身離さず持っていよう」



その時、私の中で2つの感情が入り交じった


兄上への嫉妬と幸せになって欲しいという願い

なにかドロっとしたものが心の奥に住み着いたような、そんな気分だった

お別れ→←あれから



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Miyuki(プロフ) - ユリさん» 私もです…… (2020年10月18日 17時) (レス) id: 07ac9a1952 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 映画観たあと、胸がいっぱいになってあんまり食事が出来なかったです (2020年10月18日 13時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
Miyuki(プロフ) - ツナミカワさん» ですよね! (2020年10月17日 17時) (レス) id: 07ac9a1952 (このIDを非表示/違反報告)
Miyuki(プロフ) - ユリさん» ですよね!煉獄さんが…………(;A;)生きていて欲しかったです……… (2020年10月17日 17時) (レス) id: 07ac9a1952 (このIDを非表示/違反報告)
ツナミカワ(プロフ) - わかります (2020年10月17日 17時) (レス) id: f27e09d3f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Miyuki | 作成日時:2020年9月15日 20時

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