いつか君に ー己を失った君ー

空に問う ページ13

Aside


初の任務は無事に終わった
鬼を斬るまでに5日もかかった


お風呂に入りたい
千寿郎さんのご飯食べたい
師範にも褒めてもらいたい


あぁ、私はいつからこんなに欲深くなってしまったのだろうか


鬼を殺す
それだけが私の生きがいだったはずなのに
気がつけば生きることを望んでいる


『ねぇ、真瑠助…………』

｢ナンダ？｣

『私が行きたいって思うの可笑しいかな？』


真瑠助にまでこんなことを聞いて
私はどうしてしまったのだろう


｢可笑シクナドナイ！
ソレガ普通ノコトナノダ
人トハ皆、生キタイト強ク思ウ生キ物ダ
A、オマエモ、人間ナノダ｣


『ありがとう、真瑠助………』


空を見て、両親やおじさんおばさん
返事が帰ってくるはずもないのに問うていた


私はこんなに幸せに生きていいのでしょうか

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