ポートマフィアの少女は夜桜姫 番外篇 「から紅の恋歌」

★恋歌・肆 ページ9

阿知波「あぁ…5年前いうと、名頃君も行方不明になっとって未だに見つかってないんだ」

カヲル「それは知っています」

少しの間談話していると
ひとりのスタッフが近くにいる皐月会の関係者に話かけた

スタッフ「すみません……どなたか、矢島さんに連絡取れませんか？」

スタッフ「そろそろ入っていただかなきゃあかん時間なんですけど、全然連絡が取れへんのです……」

「おかしいですね」

ひとりの女性が喋る
その人は阿知波の秘書だった

秘書「本番１時間前には入るとおっしゃってたんですが…」

A「……あの矢島兄様が……」

阿知波「あの几帳面な矢島君が遅刻とは…」

阿知波「念の為、関根君にも来るように言っといてくれ…」

阿知波はそう秘書の女に指示する

阿知波「万が一の時は、彼に代役を頼むとするか…」

カヲル「…関根の兄貴か、懐かしいなァ♣」

A「……兄様、顔…持ち悪い……」

カヲル「ストレートに悪口かますなお前」


──────その頃、大阪府警では

「これが、その予告っちゅうわけか！？」

そう声を荒らげたのは、和葉の父で大阪府警刑事部部長〈警視長〉の遠山銀司郎だ

それについて同じ大阪府警捜査一課強行犯捜査係警部の大滝悟朗が答える

大滝「日売テレビを爆発する…とだけ……」

資料を見ながら答える
もう一人が資料を見ながら大阪府警本部長〈警視監〉である平次の父、服部平蔵が聞く

服部「このカルタの写真は何や？」

大滝「メールに添付されていた写真です…」

資料には、"日売テレビを爆発する。"という文字と１枚のカルタの写真

そのカルタにこう書かれていた


──奥山に 紅葉ふみ分け なく鹿の
聲きく時ぞ 秋は悲しき──


と書かれていた

大滝「何を意味しているかはまだわかりません…」

遠山「……で？日売テレビはこのことを知っとるんか？」

大滝「注意喚起はしましたけど…」

遠山「どない思う？平蔵…
単なるイタズラか、本物の爆破予告か…」

服部「このメールだけでは判断つかんが…」

服部は右目を開き

服部「イタズラやなかったら、大事やぞ…」


その頃テレビ局では放送が流れていた

放送『先ほど、大阪府警より緊急避難警告が発令されました…』

放送『各種作業や収録を一時中断し…
近くの非常階段から退避してください…』

カヲル「なんだ？この放送」

遼「避難訓練か何かか？」

多家良「だとしても、何でまた」

珠紀「でも、警察って」

阿知波「何が起きてるんや？」

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