兄と弟 ページ5
Aside
21日 土曜日
今日は郁弥との約束の日
郁弥たちのチームは3日前に日本に到着しており一昨日から会場入りしているらしい
最寄り駅の電車の始発に乗って途中乗り換えもしながら試合会場に1番近い駅で降りる
改札を抜けるとそこには兄の姿があった
「ごめん待った？」
夏也「全然、オレも今来たとこだ」
「そう、なら良かった」
夏也「じゃあ行くか」
「うん」
駅を出て試合会場を目指して歩く
「そういえば郁弥に聞いたけどこの間までオーストラリアに居たんだって？」
夏也「ああ、試合にも出たよ」
「調子はいいの？」
夏也「まあまあってところだな」
「まあまあって。次はどこ行くの？」
夏也「オレの場合は好きな時に好きな場所で泳いでるからな。次はまだ決めてないから当分は高校の指導に行こうと思ってる」
「お兄ちゃん面倒見が良いもんね」
夏也「お前らのおかげでな」
そんな会話をしているとあっという間に試合会場に着いた
郁弥に連絡をし数分もすれば郁弥は私たちの前に姿を現し数ヶ月ぶりの再会を果たす
夏也「久しぶりだな郁弥」
郁弥「うん、姉貴も久しぶり」
「でも久しぶり。元気そうで良かった｣
すると郁弥の後ろの方から日和くんがやってきた
郁弥「日和どうしたの？」
日和「郁弥、コーチが呼んでたよ」
郁弥「そう。じゃあ兄貴、姉貴試合が終わったらまた会お」
「うん」
夏也「頑張れよ郁弥」
郁弥は建物の中へと戻って行った
郁弥の姿が見えなくなると日和くんは私たちのほうに体を向ける
日和「お二人ともお久しぶりです。お元気そうで」
夏也「日和も元気そうだな」
「日和くん、最近の郁弥どう？」
日和「最近また調子が上がってきてこの間は自己ベスト更新してました。夏也くんのトレーニングメニューも毎日欠かさずやっていますし、その効果の影響もあると思いますよ」
夏也「へー、あいつあれ毎日やってんのか」
「お兄ちゃん郁弥のトレーニングメニュー考えたの？」
夏也「ああ。バッタのタイムが少し遅いのを気にしてたようだったからメニュー考えてやったんだよ」
そういえばいつだったか郁弥が電話でバッタのタイムのことを話してたっけ？
最近そのことを話さなくなったと思ったらそういうことか
しばらく話すと日和くんも戻って行った
入場開始時刻になり私とお兄ちゃんも観客席へと向かう
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作者名：姫華 | 作成日時：2022年7月1日 0時
