風のささやき《赤》 (ページ10)

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拒否したい訳じゃない

寧ろ、隣でまた笑ってて欲しい

そう思うくらい大切な人なのに

中「今日は…教室行くの辞めとくか」

濵「そうやなあ、久々にお話しようや

いま感じてること全部言ってみ？」

久しぶりに触れた、周りの優しさに

どうしようもなく理解できない、この現実に

1度溢れた涙は止まらなくて

授業があるからと中間先生は途中で抜けてしまったけれど

2人とも、頷きながら話を聞いてくれて

『もう大ちゃんと、話せないんかな』

濵「今は無理して会わん方がええ。

でも、どうしても会って確かめたいなら

俺も淳太もいつでも協力するで？

最終的に重岡とどうなるかは、A次第やな」

『うん…そうやんな、』

濵「重岡本人には、俺と淳太から説明するから

今日はなんも気にせんとゆっくり休んで

明日またここにおいで」

俺暇やねんな～って、伸びしながら言う濵ちゃん

『ありがとう、濵ちゃん』

濵「大事な生徒さんやからな、当たり前やん」

この人が先生で良かった

『…もう9月なんやな』

濵「早いなあ、夏が終わるんは」

『来年の夏は、また一緒にお祭り行こうって

大ちゃんと約束したんよ』

濵「それまでに、戻れるとええな？」

『大ちゃん、怒ってるかな』

濵「あいつは誰よりもお前のこと理解してるから

きっと大丈夫やで」

どうして怖いと思うのか

この時の私には何もわからなくて

しばらくすれば、きっと戻れる

大好きな大ちゃんの笑顔を、また隣で見れる日が来る

そう思っていた

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