いつか君に

なぜ？ ページ17

Aside

またお客さんが1人

『いらっしゃい』



最近、ようやく清治さんのことを思い出して
辛くなることが無くなってきた
多分笑顔だって作れているはず

茶碗をさげながら入口を見ると
また黄色い髪の男の人が来ていた

今日は蜜璃さんと一緒ではないみたいで
弟さんらしき人と来ていた


最近よく来るこの人はお茶とお茶菓子を好んでいるのか、いつもこのふたつしか頼まない

『いらっしゃい、今日もいつもと同じで？』

｢あぁ！いつもので頼む！｣

『かしこまりました
貴方も一緒で？？』

｢はい！一緒でお願いします！｣


弟さんらしき人は元気よく答えた
それが少し可愛らしく思えて
私は笑ってしまった

｢よもや！君も笑うのだな！｣

『大変失礼致しました』

｢いや、構わないさ
ただ、君が笑ってくれたのが嬉しいだけだ！｣

そう優しく言ってくれた


お茶を立て2人の元へ向かう

『お待たせしました
お茶と本日のお茶菓子になります』

｢今日はなんの茶菓子だ！？｣

最近、このお客さんはお茶菓子がなにか
よく聞いてくる

『今日は満天と言うお茶菓子です
夜空の天の川をイメージして作りました』

｢よもや！天の川か！綺麗だな！｣

｢兄上！綺麗ですね！
これの作り方、僕も知りたいです！｣

｢そうだった！
この前3人の女性を連れた大柄の男が
和菓子を作るところを見せて欲しいと
約束をつけに来なかっただろうか？｣

『えぇ、来ましたよ？』

なぜこの人が知っているのだろう
そう不思議に思うと

｢じつはな、その男は俺の友人でな
日を決めてくるのを忘れたから聞いてきて欲しいと頼まれてな！｣

その一言で納得した



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満天


株式会社彩雲堂 様
“満天”


お名前お借り致しました

星空→←弟の笑顔に負けた

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