図書室の彼女

残された物 ページ27

彼女の家に着くと彼女の母は家の前に立っていた

｢あなたが、煉獄杏寿郎くんね？｣

『はい……』


彼女の母は俺を家にあげ


｢これ、あの子があなたに渡して欲しいって残したものなの……
どうか、受け取って貰えないかしら……？｣


｢ありがたく、受け取らせてもらいます……｣


受け取ったものは
水色の便箋と小さな白い箱だった


便箋を見ると、彼女の字で
『煉獄杏寿郎様』と書かれていた

封を開けると


『煉獄杏寿郎様
この手紙をあなたが見ているってことは
私はこの世からいなくなってしまったんですね


私、杏寿郎さんに出会えて良かったです
初めてあった日のことを覚えていますか？
滅多に人の子ない図書室にあなたはいた
出会ったきっかけはなんとも言えなかったけど
あなたは毎週金曜日、私の前に現れました
あなたは私の読んでいる本は何かとよく聞きましたね
私、それを聞かれるの実はすごく楽しみにしてたんですよ？


気づけば私はあなたに恋をしていました
あなたから出かけようと誘いを受けた日は
嬉しくて眠れませんでした
あなたと出かける前日、吐血して自分の命が少ないことを察しました
あの日、あなたと行きたかったところには行けなかったけど
あなたは私に想いを告げてくれて
私は今までの人生で、最高の瞬間を迎えました
あなたの温もりは暖かくて優しかった
私に生きる意味をくれてありがとう
私を愛してくれてありがとう
私もあなたを愛しています
けれどここでお別れです


私はもう死んでしまった
あなたはまだ生きている
どうか、私の最初で最後のわがままです
あなたは新しい彼女を見つけて
幸せになってください
私は空からあなたのことを見守っていますよ？
大丈夫、あなたの心に私は生きています
私を愛してくれてありがとう
私も杏寿郎さん、あなたを愛しています
さようなら』


所々にまるいしみがあった
泣きながら書いたのだろう

俺は彼女の母の前で嗚咽を零しながら泣いていた






手紙のところ長くなってごめんなさい！！

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