柱最強の雪柱は炎柱の前では最弱のようです

似ている貴方 ページ10

Aside


｢幸村！大丈夫か！｣


炎柱様が私に駆け寄り心配そうに顔を覗く



『炎柱様、ありがとうございます
私は大丈夫ですよ！』



そう、大丈夫、大丈夫
確かに鬼の言っていたことは正しいと思う
けど、私にだって譲れないものはある



｢幸村、失礼するぞ！！｣



私がそんなことを考えているうちに炎柱様は私を姫抱きにして歩き出した



『え、炎柱様！？』



なんで抱えられているのか分からなかった
別に怪我をしたわけでも体調が悪い訳でもないのに



｢君、さっき顔色が悪かった
そんなままでは危ないだろう？
藤の家紋の家までしばし我慢してくれ｣



そう言った
抱き抱えられているために炎柱様の顔が良く見える
その顔はとても美しくて、けどどこか優しい表情



『炎柱様』

思わず言ってしまった
特に用事なんかないくせに


｢なんだ？｣


答えてくれた
なんでだろう、心が暖かい


『いえ、なんでもありません』



そう言って嘘をついた




｢そうか、無理をするんじゃないぞ｣


炎柱様は特に聞き返すことなく、そう言って炎柱様はまた歩き出した





炎柱様は彼に似ているんだ
髪色や瞳の色は違うけど、纏っている雰囲気が同じなんだ




あの人と同じ





自分を犠牲にしても誰かを守ろうとする






心の中に熱い思いを燃やしている







もう会うことの無い彼に………

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