柱最強の雪柱は炎柱の前では最弱のようです

彼の羽織 ページ36

Aside


待って、どうしよう、どうしよう！！
煉獄さん見たら思い出して動き止まった
しかもその煉獄さんに助けて貰っちゃったよ………



『本当にどうしよう……もうやだよ…………』



もう、悔しくて、恥ずかしくて、それよりも情けなくて立ち上がれなくなる
そしてその場に蹲る
そんなことしたって誰も助けてくれないのはわかってるのに




｢A！！｣




顔をあげれば紗雪が隣にいた




『紗雪〜！！！』





そっと紗雪に手を伸ばせば紗雪は体を擦り付けてくる
私が失敗したことも何も出来なかったことも責めないで、私に寄り添ってくれた





｢A大丈夫、君はしっかりできているよ｣





懐かしい声が聞こえた
ずっと、ずっと会いたかった人
私の大切な人





『幸人さん？』






当たりを見渡すけれど誰もいない






『幻、か………』





姿も声も、もう私には感じることは出来なかった






けど、彼の羽織がほんの少しだけ暖かくて






彼に抱きしめられているように感じた






羽織を脱いでそっと抱き締めれば






自然と涙が溢れて止まらなかった








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幸人さんの羽織


Aさんが任務中に着ているのは亡くなった幸人さんの羽織です


色は緑色だそうです
柄は特にありません

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