柱最強の雪柱は炎柱の前では最弱のようです

夕日に煌めいて ページ31

不死川side


まーたコイツ道端でなんか悩んでやがる
コイツを見かけて初めに思ったのはそれだった



声をかけりゃ涙目で逃げ出そうとするし
おかげでおはぎ落としそうになっし
本当にコイツといるといい事がねぇ



だが、やっぱ妹見てぇだって
何となく守ってやりてぇって思える




｢Aついたぞ｣



そう、ここは俺のお気に入りの場所だ
夕日が綺麗で、人もあんまり来ねぇから
悩みたい時とか一人でいてぇ時に俺がこっそり使ってる秘密基地見てぇなもんだ




『綺麗……』


｢だろ？今は夕日が落ちかけてっから一番綺麗なんだよ｣




隣を見りゃやっぱり涙を流すA
なんかつれぇことがあったのかもしれねぇ



｢なんかあったんか？
俺でいいなら………聞いてやるよ｣



『え？』



｢なんもねぇならいいんだ
ただ、一人で抱え込まねぇ方がいいぜ？
俺でなくても胡蝶とか甘露寺に相談しろや｣



『はい……ありがとうございます
あの、私！
煉獄さんに弱い所を見せてしまって………
それが恥ずかしくて、みっともなくて、どうしたらいいのか………』




なんだ、そんな簡単なことか
そう思った




だが、いつも一人で頑張ってきたコイツにとっては自分の弱いところを見られるのはつれぇことなんだと理解する




｢A、気にしなくていい
柱だから強いわけじゃねぇ
煉獄だって、俺だって弱い所はあんだよ
お前だけじゃねぇ、安心しな
俺からも煉獄に言っといてやらぁ｣




そう言って頭を撫でてやればもう一度Aは涙を流した
夕日にきらめくAの髪も流れ落ちるその涙も美しかった

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