私はただの〇〇〇 ページ22
Aside
任務中、紗雪と鬼の様子を見ようと木に登った時、隣では月が浮かんでいた
その光はまるで煉獄さんのように暖かくて、煉獄さんの父上様と弟さんには失礼なことをしてしまったなと後悔する
『紗雪、私余計なことしちゃったかな?』
「ソンナコトナイワヨ!キット炎柱モ喜ンデイルワヨ!」
紗雪はそう言って励ましてくれた
とりあえず、煉獄さん達親子が私みたいに後悔しなければいいななんて勝手にそう思ってしまった
『幸人さんもそう思いますよね?
伝えられることは一緒に過ごせるうちに少しでも伝えておかないと、いつか別れの時が来た時後悔しますよね?』
「あぁ、そうだね
君の言う通りだよA」
あるはずのない返事がした
下を見れば幸人さんが手を振っている
『ゆき、ひと、さん?』
「そう、僕だよA!」
幸人さんが笑う
幸人さんの胸に向かって駆ける
けれど
馬鹿な鬼ね
あらかた私の記憶を見て幸人さんを真似たんでしょ?
誰が幸人さんの頚を切ったと思ってるの?
そう、私があの人を殺した
私はただの人殺し
鬼になったと言い訳をして
大切な恋人の頚を躊躇いもなく切った
冷酷な女なんだもの
『雪ノ呼吸、三ノ型 斑雪』
幸人さんの体を何回も突く
あの時の幸人さんは笑ってた
そして「ありがとう」って言いながら亡くなった
『幸人さん…………』
私が刀を鞘に収めた時、足元には鬼の頚が転がり、幸人さんはいなかった
『あめつちに わが悲しみと 月光と あまねき秋の 夜となりけり 』
「A……?」
『えっ?』
気づけばどうやら口に出していたらしく紗雪は心配そうに私の肩に乗る
『大丈夫だよ、心配させてごめんね?』
そう言って紗雪の頭を撫でれば紗雪はどこかへ飛び立ってしまった
誰もいない街は静かで、本当にこの意味そっくりになってしまったなともう一度私は空を見上げた
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意味
この世界のすべてに、私の悲しみと月の光とが満ち溢れているような、そんな秋の夜になってしまった。
石川啄木
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Miyuki(プロフ) - まゆさん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません、、、コメントありがとうございます!だいぶゆっくりではありますが更新していく予定なので今後とも何卒よろしくお願いいたします!! (2021年11月20日 23時) (レス) id: e9ad5bfcce (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしています! (2021年11月8日 21時) (レス) @page47 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
Miyuki(プロフ) - 心さん» ありがとうございます!そう言っていただけるとまた頑張れます!面白くかけるよう頑張りますので今後もよろしくお願い致します! (2021年8月20日 21時) (レス) id: e9ad5bfcce (このIDを非表示/違反報告)
心 - コメント失礼します。面白かったです!これからも楽しみにしています! (2021年8月20日 13時) (レス) id: a8a646d347 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Miyuki | 作成日時:2021年8月8日 14時