Music３ ページ4
Aside
耳郎「えっと、こ…ﾚ、は？」
明らかに怪しい色の飲み物を渡され
戸惑っている
そりゃあ初対面にそんな色の飲み物
渡されたら戸惑うよね(微笑)
「それ、私の特製ドリンクなの。
10分程度で喉の痛みを感じなくなる」
麗日「え、それすごない？！」
「でもあくまで痛みを感じなくするだけで喉が完治するわけじゃない、それにもって20分」
私の説明を聞いた皆は
緑谷「でも20分あれば」
八百万「足りますわね」
さっきまで曇っていた表情(かお)が
一気に晴れていった
「恐らく喉に負担をかけ過ぎたんだと思う
日々の練習とかプレッシャー、ストレスが
喉を痛めた原因だと思う」
耳郎「…………」
尾白「でも、効果が出てくるまで10分だろ？
あと10分も観客が待ってくれるか？」
舞台裏でも騒ぎ声が聞こえてくる
もう開演からすでに15分経っている
さらに10分となると不満も貯まる
そこからA組が舞台に立ったとして
果たして彼等が満足して帰れるかどうか…
峰田「だ、誰か一発芸でもしてこいよ」
上鳴「それ逆に殺意湧くだろうが！」
「それ、貸して」
上鳴「え？」
私は彼持っているギターを指差した
上鳴「べ、別にいいけど」
「10分は私が稼ぐから
皆はその間に最終準備にかかって」
轟「A？」
「八百万さん、仮面とか作れる？」
八百万「え？あ、はい！」
彼女は慌てながらも目元が隠れる
白いレースの付いた赤い仮面を作ってくれた
「ありがとう」ﾆｺｯ
私は作ってもらった仮面を付けて
借りたギターを持って舞台へ上がる
生徒１「誰だ、あれ」
生徒２「A組の子？」
私の登場に一斉に舞台に視線が集まる
「少しの間だけ私に付き合ってもらうわ」
〜ｷﾞｭｲｰﾝ♪
私は力強くギターを奏で始めた
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作者名：桜木美瑠 | 作成日時：2020年3月18日 0時
