私を探して【太宰治】

異能力【写し絵】 ページ13

太宰side



美浜、いいや風見が
ポートマフィア関係の人間であることは
薄々勘付いていた

けどその首謀者がAだったとは驚きだ

いずれ仕掛けてくるだろうと
予想はしていたけど

こんなに早くに手を打ってくるなんて…




太宰「君とはあまり闘いたくないのだけれど…」

「あれ？負けるのが怖いの？」

太宰「勘違いしないでほしいね」

「……？？」

太宰「私は君を傷つけるようなことは
したくないと言っているんだよ
負けるなんて一言も言ってないだろ？」

「…傷つけるようなことはしたくない？」

太宰「…っ！！」




彼女が銃口を私に向ける

銃を構える彼女の瞳は殺気と共に
深い底なしの悲しみに溢れていて光はなかった




「…私はもう十分貴方に苦しめられたわよ！！」

太宰「…っ」

「私との約束破って勝手にいなくなって」

敦「……やく、そく……？」

「私の事なんて本当は最初から
どうでも良かったんでしょ！！！」

太宰「…それは」

「…どうして私が二人に協力をお願いしたか
どうして私がこの満月の日にしたのか
…貴方ならわかるわよね？」

太宰「っまさか」

「…異能力【月光】」




彼女がそう叫ぶと同時に月が赤く輝き
彼女を光で包み、照らす




「まだだよ？異能力【写し絵】、羅生門！」

敦「…ら…しょう…もん…」

国木田「何故芥川の異能力が？！」

太宰「………」




そう、これが彼女の異能力

月光は自分の攻撃力をあげる

そして異能力【写し絵】は見ての通り
他人の異能力を印刷(コピー)することができる

この異能力がとても厄介なのだ




「楽しい舞台の始まりだよ？太宰」

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