不良くんを拾った。住みつかれた【zm】

出会い ページ1

響く雨音。

街灯が微かに照らした遊具の下で雨宿りをする青年を見つけた。

「何してるの？」

話しかけると驚いたような顔でこちらを一度見た。

すぐに目を逸らした彼はひどく汚れ、怪我をしていた。

「……どっかいけや」

ぶっきらぼうに言った彼の声は少し震えていた。

「泣いてる？」

「泣いとらんわ！！いいからほっとけや！！どっか行け！！」

自分と変わらないくらい歳に見える青年。

多分、家出でもしてきたんだろう。

「ごめんごめん。家出でもしたの？こんなとこいたら風邪ひくよ？」

「…………」

口を固く閉じて微かに体を震わせた。

「やっぱり寒いんじゃん」

「……うっさい」

「意地っ張りだなぁ」

私はストンと彼の横に座った。

「何かあった？話聞くよ」

「………なんで」

「そういう気分だから？」

「………俺は、いわゆる…不良ってやつで……」

「うん」

「たくさん人を殴ったから、親に怒られて」

「いっぱい怒られてん。でもな、何があかんかったのか全くわからんねん……」

「そっか」

「先に殴ってきたのはあっちやし、やられたからやり返しただけやねん」

「………相手は結局どうなったの？」

「10人くらい、もっと多かったっけな。全員一回殴っただけでぶっ倒れて」

「それを見たやつが叫んで、人呼んだから俺どうしたらいいかわからんくて……」

「あのね、どんな理由があろうと人は殴っちゃダメなんだよ」

「それくらいわかっとる！！でも先に殴られたのは俺や。急に殴ってきたんはあっちやった」

「それでも知らない人が見たらどう思うかなんてわからないでしょ？」

「それはそうやけど……」

「でもまぁ、自分は後悔してないならいいんじゃない？」

「……」

「後悔してる？」

「しとらん、やり返さんかった方が後悔してたと思う」

「ならもういいじゃん、忘れて美味しいもんでも食べな。お金くらいあるでしょ？」

「………280円…」

「ゑ」

「泊まるとこもないし、友達の家も近くにないし」

「君名前は？年は？」

「鳥井のぞむ、高二」

「私はAA、同じく高二だよ」

「さて、のぞむくん私についてこない？」

zm「え？」

「両親が海外にいて一軒家に私だけなんだ。部屋は余ってるし何日かくらいなら泊まってもいいよ」

「どう？」

zm「……お言葉に甘えて…ｸﾞｳｩｩ……///」

「！……ご飯も買っていこっか」

zm「……お願いします………///」

照れてる……ちょっと可愛い？

犬拾ったみたいだなぁ。

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