�供▲▲愁� ページ8
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「珈琲、砂糖とクリープは」
「うわ、今どきクリープって……」
「砂糖とミルクはァ！」
「MINTONのロイヤルミルクティーブレンド、ミルクとお砂糖たっぷり」
「うちにあんのは黄色いラベルだけだ」
珈琲から紅茶への華麗なる摩り替えには全く揺るぎを見せず、ちゃんとミルクティーを作ってくれるポートマフィア幹部。思ったよりいい人じゃない。
「あら、このミルクティー、お砂糖が入ってないわ」
「せめてもの嫌がらせに五本入れたとこだが？」
「苦いわ」
「お前はシロップでも煽ってろ」
聞けば聞くほど悪い人では無さそう。ただ、一寸お節介ね。禿げるわよ。
「今お前変なこと考えただろ」
「まあ、どうしてお気づきに!?」
「手前な……」
そして、厭なことは後回しにしようとする性質があるみたい。
どうせ彼方では、私がたまたま偶然「有川」って名字で、たまたま偶然眼帯だから似ているように見えるだけかもしれない、なんて面白いことを考えてるはず。
今日はもう、これ以上接触を試みるのは愚かかも知れない。
「紅茶、ご馳走様。焼き菓子に毒なんか入ってないわ、お疑いでしたら」
「……そうかよ」
「はい。また、お邪魔します」
「拒否権なしか」
断らないでしょう？ 真逆、断ったりだなんて出来ないはずね、中原幹部？
「じゃあな。気ィつけろよ」
「ごきげんよう」
私は自分の残した秘密の濃香に唇を歪める。
閉まった玄関の真前で、私は大胆にも二つ折りの携帯電話を取り出した。
「アーニー、聞いてるかしら？」
「嗚呼。ったく、お前もやるよなあ。ポートマフィア幹部サマのご自宅に、盗聴器しかけるなんざ。……バレたらお前の十八年間は凡て水の泡だぜ」
「大丈夫よ。どうせ、彼は今それどころじゃないだろうし.......。じゃ、
「ブラック企業って言葉知ってる？」
「ワガママ乙女とパワハラ船長からの
「お前パワハラの自覚あんのか」
「それは彼に聞いて」
そろそろ皆様ちんぷんかんぷんになってきたところだろうけれど、私と『彼』との関係はあともう少しだけ伏せさせて欲しいわ。
「ああクソ......じゃ、行きとおなじ港で待ってるからな」
「はぁい。ご苦労さま」
通話を終わらせ、携帯をポシェットに滑べり込ませる。
「.......で、何か怪しいところはあったかしら？ 幹部さん」
参、渦潮→←２、Who Is Doing The Incense Fireworks?
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千風(プロフ) - 有り難うございます！ そら豆の神作品に勝手に便乗しました……有川浩の自衛隊三部作が基ネタなので、こちらも。更新がんばります！ (2018年9月3日 17時) (
レス) id: 6fc9c274cb (このIDを非表示/違反報告)
呉 モヨ子(プロフ) - 新作おめでとう御座います！連作なのですね。三部作ってなんか格好いい…更新頑張って下さい！ (2018年9月3日 13時) (レス) id: b8f663826c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千風 | 作成日時：2018年8月23日 18時
