18話 ページ3
トオル「クッソー、あんな簡単なところで間違えるなんて！」
橋の手すりをトオルが叩く。
あまりの衝撃にドン、と大きな音がなる。
イクト「ﾌﾌｯ、」
トオル「何がおかしいの？！」
怒った剣幕のトオルに怯む様子を見せないイクト。
イクト「テストの結果が悔しいのは、トオルがそれだけ努力したからだ。そうやって努力して困難に向かっている君はいつか僕を越えられるさ…」
無表情に橋の下を見つめるイクト。
その様を見たトオルは何かが変わり始めていた。
.
トオル「100点なんか無くてもいい。この悔しさこそ精一杯やった証なんだって僕は君の言葉でそう思えるようになったんだ！」
イクト「そうだった…でも、そんな君がどうしてここに？」
マタロウ「イクト君のためだよね？」
予想外のマタロウの言葉にイクトは驚きを隠せない。
マタロウ「トオル君はわざとこのアカテントラズに送られてきたんじゃないの？」
ジンペイ「えっ、そうなのか？」
イクト「な、何で？！」
強い口調になるイクトに優しくイクトは語りかける。
トオル「君と一緒に帰るためだよ。テストの結果が悔しいのは、それだけ努力したから…あれは自分に言ってたんだよね？君はとっくに分かってたんだ。何がほんとは大切なのか。でも怖かった。努力したあとに待ってる現実を知ることが！」
イクト「あぁ、そうだ。…だから逃げ出したんだ。僕はそんな弱い奴なんだ！」
トオル「君は！誰がなんと言おうと1番だよ！僕にできないことを易々とやってのける…でもいつかその君に僕の事を凄いって言わせて見せる…！」
イクト「トオル…」
トオルは最後の一押しとばかりにこういった。
トオル「君は僕の挑戦から逃げる程、弱い奴だったっけ？」
トオルの言葉はイクトを動かしたのだ。
イクト「やれやれ…この僕に勝とうなんて、百万年早いよ。」
トオル「ゆぅねぇ。」
イクト「ﾊﾊｯ。君のお陰で、現実を受け止める勇気が出来そうだ。」
トオル「…帰ろう？」
2人は仲良く談笑し、扉を開けた。
外はもう朝、鳥が泣いている。
マタロウ「あの2人は、いいライバルになりそうだね。」
朝日に向かって走っていく2人を見て、マタロウが言う。
ジンペイ「ふぁ〜…テストの結果なんてどうでもいいけどな…」
コマ「ﾊﾊﾊ…ジンペイ君らしいね…。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵 - 迷い猫さん» 共感！ (2022年4月9日 12時) (
レス) @page9 id: 69904a6c11 (このIDを非表示/違反報告)
ふらっぺ - 迷い猫さん» コメントありがとうございます！最近私の画力や語彙力が僅かながら上がってきたと思うので（自意識過剰）（絶対ない）これからも尊い夢主ちゃんを届けられるように努力しますね！ (2021年9月27日 16時) (レス) id: 8225f7fbc9 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - ｸﾞｯ……夢主ちゃんが……尊い……！ (2021年9月26日 10時) (レス) @page4 id: 639c61a784 (このIDを非表示/違反報告)
ふらっぺ - 朱音さん» ありがとうございます！作者も日に日にチアキ君登場回に近づいて言ってる気がして鼻息荒くしてます←←←これからも読んでくださると嬉しいです(*´ω｀*) (2021年5月5日 20時) (レス) id: 8225f7fbc9 (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - 続編も頑張ってください！ (2021年5月5日 17時) (レス) id: 8c7310438b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふらっぺ | 作成日時：2021年3月18日 18時
