某死神少年との遭遇 〜外出は自粛してもらおうか〜【名探偵コナン】

違和感100% ページ8

少年は、精神年齢同学年……と呟き、ようやく気がついたらしい。

「え、啓さんって高校生！？」

「あ？バリバリ現役の高二だよ、ほら」

　おっと、やくざな口調はいけねぇや。あ？なんて言っちゃあね。

　その辺に置いていた学校用のリュックを探り、出てきた生徒手帳を見せる。

「平成三一年度 明良高校文科 一年六組 月読 A。これ、去年度のやつ。まだ今年のは発行されてないからね」


「じゃあ妹さんも」

「あいつは中三。市立中央中学校で、絶賛受験生中」


　え？という顔をする少年。

「じゃあ、今日って日曜日なのか？」


「残念ながら外れだよ、名探偵。外にほとんど人、いなかったろ？今日は平日」


　そういって、スマホの時刻表示を見せる。

　四月九日、木曜日。


「残念ながら、エイプリル・フールは先週だよ」

　嘘はついていない、という態度をとる。
　でも、少年は不審そうにこちらを見ている。どこかおかしなところでもあったんだろうか？




「まあ、ウチに来たいなら、とりあえずどうにか、母さんを丸め込む方策を考えなきゃあマズい」

「それなら俺に考えがある。任せてくれないか？」





　数時間後、母が帰ってきた。
　



　そして数分後……

「A、ちゃんと太郎君の面倒みてあげなさいよ」
　母は言った。

　え、コナン君何言ったの？怖いんだけど。



「ふう、どうにか助かったぜ……」
　母には見えないところで、少年は汗を拭う。


「一体なんて言って母さんを説得したの？」

「両親が海外から戻って来れなくなったって言ったんだよ。親父たちが海外にいるのは本当だしな。普段は寮に入ってるって事にした」

　ドヤ顔で言っているが、すごい設定だな。

「うわぁ、私立のお坊ちゃんかよ。寮付きの小学校なんてなかなかないのに」

　ちょっと引くわ。

「あ、でも工藤新一の学力、とくに英語とかを一年生でもっていると考えれば、あり得る設定か」



　後で詳しく聞いた設定が、こうだ。

　平井太郎、小学一年生。海外で働く両親を持つ。この四月から寮のある私立小学校に入学し、寮で過ごす予定だったが、入寮前、急きょ両親に仕事が入り、両親はアメリカへ。そのまま、しばらくは帰って来れなくなった。学校もまだ始まらず、家に一人取り残されてしまった。

　なるほど、今の状況が上手く味方したか。


　今、アメリカから帰ってこれない可能性は十分にある。
　それに、新学期はまだ始まらないから入寮もできないだろう。

ミッション1:母親を丸め込もう！→←精神年齢同学年！

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