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優等生、劣等生、天才児、問題児 ページ47

「来た」

 着信音に、夏来は呟く。灰原が不思議そうにこちらを見た。

 夏来は、そんな灰原をチラリとみたが、すぐ目を逸らして、コナンにハンドサインを送る。


 (今から来るって)

 (四人)


 コナンは黙って頷く。

 関係者が揃うまで、あと数分。




 月読家までの道のりを、四人は慎重に、かつ急いで歩いていた。

 そのまま帰る可能性を考え、赤井はライフルバッグを背負っている。もし、誰かに中を調べられたりすれば、面倒なことになるのは明らかだ。

 念のため、バッグは、平井監修のもとで楽器ケースに見えやすくなるよう手が加えられている。(それでも楽器のストラップをつける程度の、簡単なものでしかないが)

 まあ、急ぐに越したことはないのは確かだ。



「銃刀法違反でパクられでもしてみろ?身元不明、住所不定、おまけにこの変装術……もう二次元には帰れないだろうよ」

 Aは「はあ……」と大きなため息をつき、頭に手を当てて、脅すように言った。

 その実、違法行為に一番ビビっているのもAのようだったが。



 この、優等生が。

 平井は腹立たしげに、「チッ」と舌打ちした。

 そんな平井をAは視界の端で見ていたが、何も言うことはなかった。



 彩は考える。堂々としていれば大丈夫でしょ、と。

 沖矢さんに違和感は全然ないし、むしろ楽器の──実際は人も殺せるようなライフルが入ってる──ケースを背負っているのが様になってるくらいだし。


 Aはコナン君や赤井さんレベルじゃないとはいえ頭が良いし、実は心配性なのも知ってる。

 でも、これなら。


 隣を歩くAの緊張顔を覗いて、彩は微笑んだ。




 だが次の瞬間、Aの纏う空気が変わる。

 Aは立ち止まり、片手を横に伸ばして三人を制止した。

 呼応するように、沖矢も辺りを警戒する。

「何?」

 低い声で平井が尋ねる。

 Aは黙って、身を隠す指示を出した後、通りを歩いていた高校生を指した。

「こっちに歩いてくるあの人と、向かいの道にいる背の高い人」

「あの二人、ハルトとアキヤか……!珍しい組み合わせだな」

 あいつらに見つかったら面倒だ。小中一緒にやってきたメンバーの内の二人なのだが、彼らは知的好奇心ってやつがが高すぎる。

 正直、この四人がなんの集まりかと聞かれたら、なんて答えていいかわからないし。

 A達はヒヤヒヤしながら、二人が通り過ぎるのを待った。

対面、対峙、対応→←出発だよ平井君



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- これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……!このあと続編の方を拝読します!ありがとうございました! (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください! 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか?それとも無しなのか?出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綺月 | 作成日時:2020年5月9日 0時

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