出発だよ平井君 ページ46
彩が平井家に着いたのは、丁度赤井がメイクを始めようとしているところだった。
「平井、Aは……！いた」
駆け込んだリビングには慌ただしく準備をするAもおり、彩は胸を撫で下ろす。
「あ、彩じゃん！どうしてここに？」
「哀ちゃんが来てるのは知ってる……みたいね」
きょとんとするA。だが、準備をしているのをみると、連絡は行ってるらしい。
彩は息を整えて話す。
「コナン君、ウチに来てたんだけど、Aがまだ家にいるなら変声機が間に合わないって……確認しに来たんだよ」
「じゃあコナン君と哀ちゃんと、妹がウチの家にいるのか……」
顎に手を当てて考えるA。そして向き直ると、
「急いだ方がよさそうだね……」
少し険しい顔つきになってそう言った。
コナン君が引き返したなら、最初は妹だけだったはず。灰原哀には、少なくとも二人で当たりたかったが……
いつもはずっと家なのに、よりによって今日、コナン君と同時刻に家から出てしまった。クソ、油断したな……
Aは唇を噛んだ。
四人がかりでやったこともあり、準備は思いの外早くおわった。
あまりの出来に、赤井以外の三人は開いた口が塞がらないほどだった。
「沖矢さんまで生で見れるなんて……！」
彩は感動に目を輝かせている。
「じゃあ、行きますか」
一段落ついて、Aは覚悟を決めた目で言った。
カバンを持って立ち上がると、赤井……もとい沖矢も、「ええ」と頷いて立ち上がる。
「こうやってると、完全に沖矢さんね……」
「だね……別キャラにしか思えん」
彩とAは小声で話す。
すると平井は、ニコニコと手を振り出した。
「おお、じゃ、さよなら赤井さん」
他一同、一瞬意味が分からずキョトンとする。
無言、無言、無言。
「いや、お前も来るんだよ」
最初に気づいたAが、思わずツッコんだ。
今度は平井が、キョトンとして首を傾げる。
「は？なんで」
「は？じゃないの。一度関わったんだから、つべこべ言わずに最後まで付き合えよ！」
「チッ」
「舌打ちしない！もう夏来に送ったからね、『沖矢さんと平井と彩と、今から行く』って」
顔をしかめ、少し考えた後、諦めたように表情を緩めてため息をつく平井。
「はあ……行くか、沖矢さん」
コイツ、小学生の時に戻ってきたな……
平井は内心、苦笑いをしていた。
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桜 - これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (
レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……！このあと続編の方を拝読します！ありがとうございました！ (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください！ 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか？それとも無しなのか？出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺月 | 作成日時：2020年5月9日 0時
