コナンのいない米花町 ページ34
翌日、早朝。
帝丹小学校では、少年探偵団が集まって話していた。
「最近、コナン君学校に来てないですよねー」
光彦が話題を振ると、歩美と元太がそれぞれ反応する。
「うん……ちょっと心配」
「また一人で事件に首突っ込んでじゃねーのか？」
歩美は不安げだが、元太は呑気なものだ。
元太の予想は、あながち間違っていないが。
「なんですかそれ！羨ましいですね」
「えー、コナン君ずるい」
すると、灰原が遅れて教室に入ってきた。
「あら、江戸川君は今、海外のご両親に会いに行ってるのよ」
勿論、嘘である。
ただ、実際、江戸川コナンの両親は海外で仕事をしていることになっているので、バレにくい嘘である。
「コナンの父ちゃんと母ちゃん、海外にいるのか！？」
「凄いですねー！」
「なーんだ、それならコナン君、私たちに言ってくれれば良かったのに！」
子供たちの表情は明るくなる。
灰原は、心の中で胸をなでおろした。
「おい、蘭。あのガキはどうしたんだ？」
所変わって、毛利探偵事務所。
小五郎は、新聞を読みながら、ふと蘭に尋ねた。
蘭は家を出る所だったが、振り返って答える。
「お父さん！言ったじゃない、コナン君は、今、海外のご両親に呼ばれて会いにいってるのよ！」
数日前、博士からそう電話がかかってきたのを伝えたのだが、どうやら酔っていて覚えていなかったらしい。
「そ、そうか……」
蘭の剣幕に、小五郎は少し驚いて、そう言う。
「全く、もう！ 阿笠博士の家に行ったと思ったら、『両親から電話があったからちょっと会ってくる』って！」
どうやら蘭も、急にいなくなったコナンに対し、少し怒っているようだ。
「じゃあ、行ってきます！」
バタン！と大きな音を立ててしまった扉からは、白い煙が上っているように見えた。
「おお、ジョディ君」
とある会議室に、FBIメンバーは集まっていた。
ジェイムズが部屋に入ると、そこには暗い顔のジョディが一人、座っていた。キャメルはまだ来ていないらしい。
「シュウが任務中にいなくなってから、もう四日目よ……無事だといいんだけど……」
ジョディは、落ち込んだ様子だった。
赤井が今までに任務を放棄したことはない。
恐らく、何かしらのトラブルがあって戻れなくなったのだろう。
ジェイムズはジョディを励ますように声をかけた。
「彼ならきっと大丈夫だよ。我々は、我々の仕事をしよう」
「そうですね……」
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桜 - これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (
レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……！このあと続編の方を拝読します！ありがとうございました！ (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください！ 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか？それとも無しなのか？出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺月 | 作成日時：2020年5月9日 0時
