口が滑っても言っちゃあいけない ページ20
「ねぇAお姉さん、僕、沖矢さんと久しぶりに会ったから、お話したいな!」
私の方を振り返ると、コナン君はそう言った。
「え……うん、いいよ。ええと ──」
「じゃあ、太郎君、俺ん家来れば?沖矢さんも、それでいいならいいんじゃない」
ぶっきらぼうに平井は提案した。
ええと、ウチに行く?と言いたかったんだけど。
ちょっと不安だけど赤井さんもいるし、平井に預けるのがいいか。
でも、アイツが自分のテリトリーに人を入れるとは思わなかったな。
絶対、ここで話させるか場所を変えるかして、自分だけさっさと帰ると思ってたのに。
あ、同性にはユルいのか?
「助かる。彼に話したい事もあるしな」
赤井さんは平井の方に向き直って言った。
ここで気づいた。平井が赤井さんを見上げていることに。
そうだよ、アイツはチビなんだよ。男にしては、だけど。
あれは小学校の時だ。移動の時の並びは二列背の順で、男女混合だった。
アイツはいつも、前から二列目だった。
中学になって私より高くはなったけど、それでも男子の中では背が低い方だった。
因みに私も背は低い方だ。その背の順なんか、アイツはいつも近くだった。
はあ、でもそれ言ったら無茶苦茶嫌な顔されるんだろうな。
くわばらくわばら、口が滑っても言っちゃあいけないよ。
さて、じゃあ私が退散するのかね。
流れに任せてここでバイバイ、で良いかな?
そう思ったのが間違いだった。
「来る?お茶くらい、出すけど」
平井は、私の方を見て言った。
まさか自分もついて行くなんて、思ってなかったよ……
そして、歩くこと一分。
まあ、公園の裏なんだからこんなもんだな。
結構でかい ──まあ、工藤邸や阿笠邸みたいな豪邸とまではいかないが ── 一軒家、平井家に着いた。
ちなみに彩の家は、ここから坂を登ってすぐ。
平井と彩はご近所さんの幼馴染──まあ、小一からの付き合いが幼馴染と言うなら、私もそうなってしまうのだが。
部屋に通され、コナン君と赤井さんは向かい合って座る。
私、約五年振りで男子の家入ったよ……
次入るのは彼氏とか出来てからかな〜とか思ってたよ……
平井が見ていないのを見計って、コナン君とアイコンタクトをとる。
だよね、平井を追い出さないと話せない話もあるよね。
逆トリしてきたモン同士でね。知ってた。
分かってたよ。はあ、泣きそう。
気づいてない……とでも思ったか?→←ばったり出会った二人と二人、それは
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桜 - これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……!このあと続編の方を拝読します!ありがとうございました! (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください! 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか?それとも無しなのか?出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺月 | 作成日時:2020年5月9日 0時