ひと夏のキセキ (ページ2)

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スンチョル side

SC「ナヨア…！！待て…！！！」

NY「ごめんね、オッパ」

SC「待てって！！お前のことは俺が絶対守るから！！」

雑居ビルの屋上。

真上にある太陽がヤケに近く、クラッとする。

ナヨンは、鉄板のように熱くなった鉄柵を乗り越えわずか5センチの幅に立っている。

手を伸ばしナヨンに近づく俺。

太陽はそんな俺たち兄妹を引き裂くように日を降り注ぐ。

SC「何があったか話せ。俺が絶対になんとかするから！だから死ぬな！！頼む、ナヨア！！」

NY「来ないで！！」

近くに駆け寄ろうとした俺に、ナヨンが叫んだ。

大人しくて可愛らしかったナヨンからは聞いたこともない怒号だった。

NY「もう遅いの。もう遅いんだよ…」

SC「ナヨ…―」

NY「ばいばい、オッパ」

スルリ―

視界からナヨンが消えた。

SC「ナヨア！！！！！」

鉄柵に駆け寄ったときにはもう、ナヨンは遥か下のアスファルトに倒れていた。

SC「ナヨアーーーー！！！！！」