chapter51 ページ6
それからちょくちょく例の眼鏡の男と鉢合わせることがよくあった。
その男は私の家で母を待っていることが多く、そのためか自然と会話もするようになった。
最初は話しかけられても無視を貫いていたが、前にも言ったように今までの男とはどこか違う気がしていつの間にか心を許していた。
松田さんに忠告はされていたが、別に気にとめていなかった。
「Aちゃん、こんばんは。」
そう言っていつも通り笑顔で私に声をかけてくる。
名前は、"佐藤 直也"というらしい。
彼が夜に家に訪れるのはもはや習慣となっていた。
そのため話が盛り上がると時間はあっという間に過ぎ去り、松田さんに会わない日が続いた。
「佐藤さんこんばんは。母はまだ来てませんよ?」
今日も来るまで待つのかな。
佐藤さんと話すのも楽しいけど、もうそろそろあの人とも会って話したい気もする。
彼にコーヒーを入れながらふとそんなことを思っていた。
「あぁ、彼女は今日家には戻らないらしいよ。」
え……?
コーヒーを入れる手が止まる。
すると、彼はソファから立ち上がりこちらに近づいてくる。
その時に初めて彼に、恐怖心というものを抱いた。
思わず後ずさりする。
「…じゃあ、なんで家に…?」
そう問うと、彼はいつものように微笑んだ。
「そんなの、決まってるじゃないか。」
どんどん距離を詰められその間私は逃げ場を失い、壁に追いやられてしまった。
私は恐怖心からか声も出なかった。
肩に触れられ、壁に押さえつけられる。
すぐ横には逃すまいと彼の手が壁にぴったり張り付いている。
「__Aちゃんと2人っきりになりたかったからだよ。」
男はニヤリとと微笑んだ。
697人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なみだうさぎ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!!更新不定期で大変申し訳ないですが、できる限り期待に応えられるよう頑張ります!! (2018年10月14日 1時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 続編の移行おめでとうございます!私も楽しみに今後の展開待ってます。 (2018年10月13日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なみだうさぎ | 作成日時:2018年7月17日 21時