chapter87 ページ43
安室さん、どうして……。
『……遅かったな、バーボン。』
____安室さん。
ふと、意識が戻り私はゆっくりと目を開けた。
体には毛布がかかっていて、どうやら私は車の後部座席に寝ていたみたいだ。
でも、どうして……。
「__目が覚めましたか。」
声のした方に顔を向けると、そこには知らない眼鏡の男性が運転席に座っていた。
「…あなたは、誰ですか?どうして私を……。」
見る限りあの中にいた仲間ではなさそうだ。
ごく普通のサラリーマンのように思える。
「…ある人に頼まれ、私はそれに従ったまでです。」
「ある人って、誰ですか…?」
そう聞くと急に黙ってしまった。
え、どういうこと?
全然状況がわからない。
なぜそのある人は私を気絶させてまで、ここに連れてきたかったの?
「とにかく、今日のことは忘れて下さい。私が責任をもってあなたの家までお送りするので。」
「…え、ちょっと待ってください。忘れろってどういうことですか?それに全然この状況理解できてませんし、ちゃんと説明を___」
するとタイミングが良いのか悪いのか、男性のスマホが鳴り出した。
だが、男性は出るか出ないか迷っているようだった。
「……出ないんですか?」
するとまた黙った。
「……まだ鳴ってますよ?緊急なんじゃないですか?早く出ないと怒られるんじゃないですか?」
そう急かすと男性は、意を決したようにスマホを手に取り、通話ボタンを押した。
そして私はその一瞬の隙をついて男の手からスマホを奪った。
「っ!なにをっ…!」
このタイミングで、しかも出ることに躊躇ったということはこの男性のいう『ある人』の可能性が高い。
そう思いスマホを耳にかざすと聞こえてきたのは、
『もしもし、風見か?』
またもや、あの聞き慣れた声だった。
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なみだうさぎ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!!更新不定期で大変申し訳ないですが、できる限り期待に応えられるよう頑張ります!! (2018年10月14日 1時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 続編の移行おめでとうございます!私も楽しみに今後の展開待ってます。 (2018年10月13日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なみだうさぎ | 作成日時:2018年7月17日 21時