chapter89 ページ45
__安室さんだ。
こんな近くにいるのは久々で、なんだか不思議な感じだ。
「…風見、彼女は僕が送る。」
「しかし……。」
「いいから、お前はこの車で戻れ。」
安室さんがそう言うと、渋々風見さんは了承したようだった。
「……Aさん。」
「は、はい…!」
名前呼ばれるの、いつぶり?
「あっちに車を停めているので、行きましょう。」
「…わかりました。」
そう促されて車から降りる。
風見さんに会釈をしてから安室さんについていき、彼の車に乗り込んだ。
バタンという音でドアが閉まる。
どうしよう。
何から聞けばいいのかわからない。
聞きたいことが多すぎて頭こんがらがる。
すると、先に口を開いたのは安室さんだった。
「どうして、あの場所に?」
そう聞かれた瞬間寒気がした気がした。
安室さんが纏う空気が冷たく感じるのは気のせいだろうか。
私は正直に話すことにした。
「……街で、安室さんを偶然見かけたんです。そしたら、その…どうしても、
___会いたくなって。」
勢いで言ってしまったぁぁぁぁ。
もういい、この際聞きたいこと聞いてしまえ。
「あ、あの…あそこににいた怪しげな人達は一体だれなんですか?どうして、安室さんが___」
すると突然安室さんの手が伸びてきて私の肩を掴み、座席に押さえつけた。
それと同時に安室さんとの距離は近くなり、心臓がうるさくなる。
「___聞いたら、後悔しますよ。」
そう言った彼の瞳は、いつもの暖かい光を差していなかった。
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なみだうさぎ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!!更新不定期で大変申し訳ないですが、できる限り期待に応えられるよう頑張ります!! (2018年10月14日 1時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 続編の移行おめでとうございます!私も楽しみに今後の展開待ってます。 (2018年10月13日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なみだうさぎ | 作成日時:2018年7月17日 21時