chapter58 ページ13
えっと、ちょっとまって。
頭が追いつかない。
安室さんが警察……?
「…それ、ほんとですか?」
松田さんの妹だってことは不思議と受け入れられたのに、『安室さんが警察官』ということは受け入れられない。
私は疑いの目を安室さんに向けて尋ねた。
すると、しばらく黙ってから安室さんは口を開いた。
「すみません、冗談です。」
そう言ってクスッと微笑む安室さんは、いつもの私の知ってる安室さんだった。
というか、嘘なんかい…!
「はぁぁぁぁ…もう、びっくりさせないでくださいよ……。」
「すみません、空気が重かったので明るくしようと思って。」
ほんと心臓に悪いわ。
リアルに言うから普通に騙されそうになったわ。
「…彼とは、本当にただの友人ですよ。」
そう言って微笑んだ安室さんは、どこか切なげな表情を浮かべていた。
その顔は、なに___?
「安室さん___」
すると、大きな音と共にいつの間にか薄暗くなっていた空が急に明るくなった。
音に驚いて空を見上げると___
「わぁ、綺麗……。」
「本当ですね。」
空に次々と花火が打ち上がっていく。
きっと後夜祭のフィナーレだろう。
あれ、てことは私後夜祭出れなかったってこと…?
まぁ、いっか。
「Aさん。」
「なんですか?」
名前を呼ばれ、安室さんの顔を見る。
すると安室さんもこっちを向いて私を見つめる。
ふと、教室での出来事がフラッシュバックして勝手に顔が赤くなる。
そういえば、なんで安室さんはあんなこと___
「僕は、あなたを___」
え__
その瞬間、大きな花火が打ち上がって全部は聞き取れなかった。
「すみません、もう1回言ってくれますか…?」
そう言うと、安室さんは少し笑った。
「いや、大したことじゃないので気にしないでください。」
「え、気になるんですけど。」
なんなの今日の安室さん。
やっぱりなんか変だ。
結局その日は最後まで教えてくれなくて、車で私の家まで送ってくれて解散した。
色々なことが一度に起こって疲れたのか、私はベッドにダイブしてその日はそのまま爆睡した。
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なみだうさぎ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!!更新不定期で大変申し訳ないですが、できる限り期待に応えられるよう頑張ります!! (2018年10月14日 1時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 続編の移行おめでとうございます!私も楽しみに今後の展開待ってます。 (2018年10月13日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なみだうさぎ | 作成日時:2018年7月17日 21時