chapter34 ページ36
安室side
帰りの車の中、彼女に『女の扱いが上手い』なんて言われたので初デートはこれが初めてだと彼女に伝えると、なぜか謝られた。
「どうして謝るんですか。僕がAさんと一緒に行きたいと思ったから、誘ったんですよ？」
そう言うと、彼女は一瞬フリーズしてから『ありがとう、ございます。』と言った。
ちらっと横目でみると、心無しか彼女が少し照れているように見えた。
普段苦手がられているせいでそんな彼女の顔を見たことがなかったのもあって、新鮮に感じた。
＿＿いや、不覚にも可愛らしいと思ってしまった。
女子高生相手に何を考えているんだと自分に言い聞かせ、車を走らせる。
そして後になってから、さっきの自分の言動が変に誤解を与えてしまったのではないかと気づいた。
失言だったか…？
すると予感は的中し、彼女が俺に緊張した面持ちで話しかけようとする。
だがちょうどよく彼女の家の前に着き、話を中断させることに成功した。
「…そ、それじゃあ、また明日！」
車から降りてそう告げる彼女は、どこか慌てている感じがした。
急にどうしたんだ？
「はい、遅刻しないでくださいね。」
「しません。」
最後の彼女の言葉はいつも通りだったので、気にせずに軽く礼をしてから車を発進させた。
車を走らせながら今日をなんとなく振り返る。
今日でだいぶ彼女との距離が縮まったと自分なりに思う。
最初の頃と比べて苦手がられていないし、最初の頃見られなかった笑顔も時々目にすることが多くなった。
「＿＿まったく、あいつに似て頑固だな。」
ふと、昔のことを思い出して思わず笑がこぼれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 607人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なみだうさぎ(プロフ) - 奈緒さん» 言われてみればそうですね！！アドバイスありがとうございます！ (2018年7月30日 14時) (
レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - 漫画の表記だとサンドウィッチではなくサンドイッチかと。めんどくさいこと言ってすいません！ (2018年7月27日 0時) (レス) id: fb11a646af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よもぎ | 作成日時：2018年6月4日 1時
