chapter30 ページ32
安室side
俺は思考を巡らせた。
彼女が行きそうな場所はどこか__
だが、まだ出会ってそこまで経っていない相手であるうえにお互い水族館は久々ときた。
「仕方がないか…。」
彼女は嫌がるかもしれないが、迷子センターに行って呼び出しをしてもらうしか方法はない。
あとで色々言われても、元はと言えばそっちが悪いと言ってなんとかなだめることは出来る。
さっそく地図を確認し、足早に目的地に向かう。
今彼女は1人___
こんなところに変なやつはいないとは思うが、ずっと1人にさせるのはまずい。
あともう少しで目的地に着くというところで、あるものが視界に入った。
「ここは__」
思わず足を止める。
もちろん来たこともないし、彼女がいるという確証はない。
けど
『__あいつ、クラゲ好きなんだよ。変わってるよなぁ。』
ふっと脳裏にその言葉が浮かんできた。
それと同時に、予感が確証に変わった。
俺は迷わず中へ進んでいった。
すると、案の定すっかり見慣れた背中が目に入った。
「__やはりここでしたか。」
俺の声に振り返り、驚いた表情を見せる彼女。
そのあと、どうしてわかったのかと聞かれたが適当にはぐらかしておいた。
「__お前のおかげだよ。」
「?なんか言いましたか?」
ぼそっと口にしたつもりだったが、聞こえていたらしくまた彼女は頭にはてなマークを浮かべている。
その表情が可愛らしくて、思わず微笑んでしまう。
「…いえ。ただ、クラゲが綺麗だなと。」
『最初は何がいいんだかよくわかんねぇまま見てたんだけどよ、よく見たらすげぇ綺麗なんだぜ?』
そう言って笑う彼の姿を思い出し、俺は改めて彼女を守り続けると誓った。
松田____お前のたった1人の妹を。
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なみだうさぎ(プロフ) - 奈緒さん» 言われてみればそうですね!!アドバイスありがとうございます! (2018年7月30日 14時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - 漫画の表記だとサンドウィッチではなくサンドイッチかと。めんどくさいこと言ってすいません! (2018年7月27日 0時) (レス) id: fb11a646af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ | 作成日時:2018年6月4日 1時