9話 ページ9
腕の中のネズミが、ずんと重みを増した。
ゆっくりとその身体をベッドに戻し、毛布を掛けなおす。
聞こえてくる寝息は、さっきよりだいぶ規則正しいようでホッとした。
ネズミの額に、冷やしなおしたタオルを乗せてから紫苑は、さっき作った野菜スープを自分も飲もうと思いたち、再びストーブの前に位置づいた。
自分が、ひどく疲れていると感じた。
スープが温まり、深めの皿に注いで椅子に座る。ネズミが起きてしまっては悪いので、ランプは点けない。
暗闇の中で食べる遅い夕食は、なんだか美味いのか不味いのかわからなかった。
ネズミの熱は、下がったとはいえまだ高い。何かあったら嫌なので、早目に対処するため当の自分は寝られない。
とはいえ……。
真っ暗な部屋、夜の明けそうな時間帯、ほどよい疲労感が合わされば、眠くなるなという方が無茶な話である。
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かえで(プロフ) - 人物の話し方も違和感なく、原作の続きを見ているような気分になりました(´∇`)弱ってるネズミ程愛おしいものはないですね、、(⊃´-`⊂)長くなりすみません!本当に素敵な作品ありがとうございました!! (2016年9月29日 13時) (レス) id: cd259e1470 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - 最高でした、、!!紫ネズが大好きな私にとってはプロフ名を紫苑にせざるを得ませんでした(´・ ・`)自分のことを僕と言っていたり、ネズミにあんたと呼ばれたり、作者様はわかっている方だなぁと感動していました、、。(続きます(;_;)) (2016年9月29日 13時) (レス) id: cd259e1470 (このIDを非表示/違反報告)
実結(プロフ) - さっちゃんさん» コメありがとうございます!そう言っていただけると、書いてよかったと切実に思います!続きならですね…もしかしたら書くかもしれません。ので、期待せずにお待ち下さい! (2016年5月24日 17時) (レス) id: 58050d279b (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - すごく面白かったです。 次回作(?)があれば、是非読みたいです!! (2016年5月21日 21時) (レス) id: 721a3cd878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実結 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/minoko2
作成日時:2015年7月2日 14時