検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:5,092 hit

家出 3 ページ11

「え?」
 男の子はちょっとの間びっくりした顔をしていたけど、
「誰って? キミ名前は?」
「…A」

「じゃあ、Aさんなんじゃない?」
 そう言って、当り前みたいに笑った。
「違うの。そうじゃなくて……」
 あわてて言い直そうとするけど、なんて説明すれば良いのかわからない。

「分かってるよ」

「え…何を?」
 男の子は鉄棒を両手でつかんだまま、こっちを見てまた笑った。
「キミは、キミだから」
「ワタシは……ワタシ?」
 よくわからない。
「うん。怒ったり、笑ったり、泣いたり、困ったり……色んなキミがいるかもしれないけど、」

「それはぜーんぶ、キミなんだよ」

「全部、ワタシ……」

「そう」
 男の子は自分と同い年くらいなのに、すごくお兄さんみたいに見えた。


「いろんなワタシは、全部ワタシ……」

家出 4→←家出 2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.7/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:実結 , 短編集 , なんでも   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:実結 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/minoko2  
作成日時:2014年7月20日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。