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家出 3 ページ11
「え?」
男の子はちょっとの間びっくりした顔をしていたけど、
「誰って? キミ名前は?」
「…A」
「じゃあ、Aさんなんじゃない?」
そう言って、当り前みたいに笑った。
「違うの。そうじゃなくて……」
あわてて言い直そうとするけど、なんて説明すれば良いのかわからない。
「分かってるよ」
「え…何を?」
男の子は鉄棒を両手でつかんだまま、こっちを見てまた笑った。
「キミは、キミだから」
「ワタシは……ワタシ?」
よくわからない。
「うん。怒ったり、笑ったり、泣いたり、困ったり……色んなキミがいるかもしれないけど、」
「それはぜーんぶ、キミなんだよ」
「全部、ワタシ……」
「そう」
男の子は自分と同い年くらいなのに、すごくお兄さんみたいに見えた。
「いろんなワタシは、全部ワタシ……」
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作者名:実結 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/minoko2
作成日時:2014年7月20日 11時