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「…大丈夫か？」
「…うん…」
夜嵐が去って、その名の通りに嵐が過ぎ去ったような空気が漂っている中、げっそりした私に声をかけたのは轟だった。その表情は、どこか複雑な感情を表している。
「また…モヤモヤしてる…」
「？どっか気分悪いの？」
「…いや、大したことねえから大丈夫だ。それより医刀、あいつと知り合いか？」
「え」
「？」
まるで覚えていないかのような言いぶりに、落胆する私。嘘だろ…なんか対抗心燃やして質問攻めしてきたくせに…、とこっそり悪態をつく私をよそに、記憶の引き出しから夜嵐のことを探す轟の表情は険しい。
そんな様子を見て、仕方ないのかもしれない、と思った。
轟もまた、"何か"を抱え込んでいた。その"何か"に必死で、周りを気にする余地もなかったはずだ。克服したと思っていたものは、案外克服できていない。それを自覚するきっかけは自己要因ではなく、環境要因。つまりは第三者。
この試験がきっかけで、轟はまた一段、成長するのかもしれない。
なんて上から目線みたいな思考を振り払うと、次はまた別の高校に
「結婚しようぜ」「しない」
…きっと冗談なんだろうけど、学生の前でするか普通…。
我らが担任、相澤先生に平然とプロポーズした相手は、傑物学園高校2年2組の先生、スマイルヒーロー"Ms.ジョーク"。緑谷によると、爆笑させる個性で周りを強制的に笑わせて思考・判断力を鈍らせるらしい。まさに狂気。
そんな彼女の後ろから、ゾロゾロとやってきたのは彼女の受け持ちである生徒。俗にいう爽やかイケメンの先輩を筆頭に、テレビでみた顔の私たち雄英生を前に若干興奮している。
爽やかイケメンの先輩は、いつかの夜嵐のように握手をしながら挨拶に回る。だが夜嵐のように暑苦しくはない。実に爽やか。爽やかすぎて胡散臭い。裏の顔がありそう。
彼に声をかけられた爆豪も、顔とセリフが合ってないと突っぱねた。
試験前の睨み合いも程々に、相澤先生の指示を受け、コスチュームに着替えて説明会に入る。するとそこは既に、何百人ものヒーロー志望者が、緊張感の中佇んでいた。
この中から半分以下が試験に落ちるとなると、経験値が低く、更に個性のネタも体育祭でバレてる私たち雄英生は、落ちる確率のほうが大きいかもしれない。
それでも私は、この試験に受からないといけない。
スタート地点に立つために。
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暁刄(プロフ) - めがさんさん» おわーっ！ありがとうございますめがさんさん！こんなコメント頂けるの初めてでめちゃくちゃ嬉しいです！！気まぐれ更新ですが、気長に待っていてください…！ (2018年10月8日 0時) (
レス) id: 827f04d6e2 (このIDを非表示/違反報告)
暁刄(プロフ) - 黒田李瑚さん» オチは正直考えてないんですよねー…。だって、ヒロアカのキャラみんなカッコよすぎるから！オチどうしようかなー、って。ずっと悩んでおります笑。この小説の終わり方も正直考えてませんし笑。まあ、おいおい決めていくので、気長に待っていてくださると嬉しいです！ (2018年10月8日 0時) (レス) id: 827f04d6e2 (このIDを非表示/違反報告)
めがさん(プロフ) - とても面白いです！主人公が1のAやヒロアカの世界に溶け込んでいて、実際のキャラに出来そうな感じがしました…笑更新楽しみにしています！ (2018年9月30日 16時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
黒田李瑚(プロフ) - オチは相澤先生がいいです！ (2018年8月26日 8時) (レス) id: 21b5aff288 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁刄 | 作成日時：2018年8月5日 1時
