4 ページ9
しばらく沈黙が訪れる。
このまま無駄に時間を潰してはいけない、と私から再度切り込む。
「もうこの際、私にも話して頂けませんか。口外しないことを誓います」
緑谷は心配そうにオールマイトを見つめる。当の本人は、まだ考え込んでいたが、意を決したように顔を上げる。
「…そうだね。この際、洗いざらい君にも話そう」
全て聞き終わった後、話があまりにも釈然としてはっきりはしない。が、理解はした。
「…なるほど。で、緑谷は今から、オールマイトとオールマイトまでに蓄えられた力を継承する、と…」
「…異論か何かあるのかい？」
「まさか。オールマイトの決めたことは正しいです。あの爆発野郎よか全然いい。…ただ、入試。実技でちゃんと使えるか、不安はありますね」
仕方のないことなんでしょうけど。と続ける。
緑谷は思い詰めた表情を浮かべている。使えるか、というより、使えないから不安といった方が正しい。だって緑谷はいわば、個性出始めで慣れない子供だ。
「…仕方のない、ことなんだろうけど…」
聞こえた緑谷の微かな声。
「でも…！僕は雄英に行きたいんだ…！！だから頑張る！！」
いや、と続けて緑谷はズカズカとわたしに歩み寄る。
「一緒に頑張ろう！！医刀さん！！！」
「お、おぉ…」
ガシリと手を握られた。あれ、女の子と馴れ合うの苦手なんじゃ…。あれ、ということはこれ無意識？てか、緑谷私が推薦だってこと覚えてて言ってる？
とか思いながら実際、私も男子に触れられるのは初めてなので、緑谷の迫力と相まって戸惑いを隠せない。
と、そこでHAHAHA！！！と高らかな笑い声。置いてかれて若干拗ねてるようにも見受けられるオールマイトは、緑谷の心意気に安心して、いいね青春だね！！と緑谷の肩に手を置く。途端に緑谷は体全体を真っ赤にして、握ってた手を離す。
やっぱり女子苦手なんだな？
「さて、緑谷少年。授与式だ」
「あ、じゃあ私は立ち去りま…」
「いや！いて構わないよ少女」
「え」
え、いいの？ほんとに？一世一代の個性授与式に無関係者いていいのか？
と、戸惑いつつもオールマイトの前置きを聞く。オールマイトが自身の髪の毛一本を抜いて、そして
ついに。
「食え」
「へあ？」
予想の斜め上以上をいく授与に、私は思いっきりヒいて呆然とするのであった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
0405 sorizae(プロフ) - 戦闘衣装のURLって何処かに貼ってあったりしますか？ (2018年8月27日 9時) (
レス) id: c835902793 (このIDを非表示/違反報告)
八神 - キツく言い過ぎだと思いますけど (2018年3月24日 21時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
赤松パーカー(プロフ) - ご指摘通り変換されてない場所直しました。ご指摘ありがとうございます。すみませんでした…！これからも誤字等ありましたらお願いします！ (2017年5月2日 5時) (レス) id: e47bfb79c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されてないんですけど？？何で名前が赤松パーカーなんですか。やめてください。 (2017年5月1日 12時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暁刄 | 作成日時：2017年4月18日 20時
