3 ページ8
そしてまた日は経ち入試本番。
習慣となった早朝のランニング兼緑谷のストーカー。
いつも通り、緑谷は海岸の廃材を運んで、トレーニングがてらの奉仕活動。時間の許す限り見てようと、堤防の冊に腰掛けて観察する。
しばらく。
山になった多くの廃材の頂上に立って雄叫びを上げる緑谷。今までずっと見てきたから、驚きも感動もない。無情なことだが、何よりオールマイトの意図が分からんので、疑問が先に立つ。体を鍛えたところで実技で受かるわけも無いし、受かったところで彼は無個性。入学後、すぐに除籍を喰らうんじゃないか。
オールマイトもそれは判っているはず。なら何故？
そんなことを思っていると、下から驚きの声が。
ガリッガリオールマイトが、朝日に輝く白い水平線を見てその声を漏らしている。そして一気にいつものムッキムキオールマイトへ。一度見たオールマイトのその変容ぶりに、思わず体全体を揺らして驚いてしまい、座っていた冊からお尻ずり落ち下へ真っ逆さま。
あ、と。試験前に何やってんだ私の馬鹿野郎、と。
呑気に考えながら、少し焦って受け身をとる。数秒後に走るであろう鈍い痛みに目を閉じる。が、それも束の間。背中と膝裏に手が添えられた感触の後、浮遊感に襲われ、それも収まり目を開ける。と同時に、オールマイトのドアップ。
「ぅおっ」
「やぁおはよう、少女。けがはないかい？」
「あ、おはようございます大丈夫です」
そうかそれはよかった。とオールマイトは安堵した表情を浮かべる。その後すぐ降ろしてくれ、またすぐ後、ガラッという音と共に落ちる緑谷を抱える。一言二言交わして2人は離れる。が、2人同時に私に向く。2人とも勢い良く振り返って私を見るのでまた驚く。
なんだ今日は驚いてばかりな気がする…。
なんて思っていると、いつの間にかオールマイトが目の前に。コソコソ話する時のように口に手を当てて、頬に冷や汗流して、落ちる前は何か見たかな？と聞いてくる。私はいろいろ聞けるチャンスだと思い、素直に答える。
「はい。何か変わってましたねオールマイト」
ギクリ。と、いかにもバレた！と言うように固まる。ついでに緑谷も。これはチャンスと、この際深く切り込んでやろうとまくし立てる。
「実は前にも見たんです。オールマイトが変わってるところ。ヘドロ事件のとき、人だかりの後ろにいましたよね。私あなたの真横にいて、偶然にも見ちゃいました」
2人とも冷や汗だらっだら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
0405 sorizae(プロフ) - 戦闘衣装のURLって何処かに貼ってあったりしますか？ (2018年8月27日 9時) (
レス) id: c835902793 (このIDを非表示/違反報告)
八神 - キツく言い過ぎだと思いますけど (2018年3月24日 21時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
赤松パーカー(プロフ) - ご指摘通り変換されてない場所直しました。ご指摘ありがとうございます。すみませんでした…！これからも誤字等ありましたらお願いします！ (2017年5月2日 5時) (レス) id: e47bfb79c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されてないんですけど？？何で名前が赤松パーカーなんですか。やめてください。 (2017年5月1日 12時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暁刄 | 作成日時：2017年4月18日 20時
